Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ニューノーマル時代の選挙(後編)

 先週「ニューノーマル時代の経済・社会」と題して3回投稿したが、そこで主張した最大のポイントは、

 

 この時代オンラインへのアクセス権は基本的人権のひとつなので、政府はすべての市民にそれを保証すること

 

 だった。すべての市民がオンラインにアクセスできるなら、選挙のやり方も考え直すことができる。例えば、ポスターを貼る、街宣車で回る、立ち合い演説会をする、投票券を郵送する、投票所を用意し立会人や投票函を用意するなども必須ではない。むしろ無くした方が、ずっとスマートに選挙ができるのではないか。

 

 ポスターから得られる情報など多寡が知れているし、街宣車は候補者の名前を連呼するだけ、立会演説会も「密」を避けるなら聴衆の人数はごく少ない。政見放送に至っては、あの短い時間で訴えられることは限られる上、多少誇張(あえてウソとは言わない)があっても視聴者にはそれを確認するすべがない。

 

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 選挙の対象となるポストの意味については、行政が広報すればいい。候補者の情報は、本人(&事務所)が提示するものだけでなく、過去の公表された事項の編集をしたものをメディア等が掲載することもあり得る。問題は、これらの情報が正しいかどうかということ。資金力に優れた政治団体がより多くの情報を流し、選挙戦を有利に進めないかとの危惧もあれば、Fake Newsによって候補者が不当に貶められないかとの不安もある。

 

 次の課題は、投票をどうするかということ。選挙サイトで候補者を選んでクリックすれば済むから、いろいろな障害を持った人にも投票は楽になるし、多言語化も容易なので日本語の読めない人も参加できる。それはいいのだが、本人確認をどうするかが問題だ。今は投票券が郵送されてきて、それを持って行った人が有権者と認証されるわけ。投票券(正確には投票所入場券)の代わりになるのは、オンライン上での本人認証でなくてはならない。

 

 これは公民権行使に限ったことではなく、あらゆる生活のシーンで求められることだ。だから「ニューノーマル時代の基本的人権」を守るためには、簡便だがセキュリティ性の高い本人認証スキームの確立が必要なのだ。これも事実上の基本的人権なので、全国で統一されている必要がある。

 

 どうやらアクセス権の次に求められるポイントは、「本人認証スキームの確立」になるようですね。