Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

陸自の「20式5.56mm小銃」(前編)

 何度か、銃器の世界は技術革新が遅いと申しあげてきた。米軍のコルトガバメント1911など、70年程制式拳銃として使われてきた。「Combat」でサンダース軍曹がもっていたアレである。この度、陸上自衛隊の小銃と拳銃が世代交代することになり、お披露目があった。

 

http://www.jwing.net/news/25241

 

 採用された小銃は、20式と名付けられた。現行機種が89式だから、30年余りたっての更新である。仕様として、

 

▼全長:854ミリメートル(銃床最短時は783ミリ) ▼重量:約3.5キログラム ▼口径:5.56ミリメートル ▼銃身長:330ミリメートル▼使用弾薬:5.56ミリ普通弾(89式と同じ) ▼装弾数:30発 ▼製造会社:豊和工業 ▼配備先:水機団、即応機動連隊、教育部隊など、普通科部隊に優先して配備 ▼特徴:排水性向上などによる耐環境性、89式に比べ短銃身化したことによる操用性向上

 

 が公表されている。

 

        f:id:nicky-akira:20200528081450j:plain

 

 それはいいのだが、Web上ではこの小銃の評判があまりよろしくない。退役自衛官が「私が空自で64式小銃の使用継続を主張したわけ」という記事を書いたり、「陸自新小銃に多くの課題」という記事もあった。前者は広い空間である航空基地警備には、射程の長い7.62mm口径の64式(50年以上前の!)が有利だということだし、後者は国内産業(豊和工業他)には未来がないこと、自衛隊にシステムとしての調達が出来ていないことを嘆いている。

 

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60653

 

https://japan-indepth.jp/?p=52127

 

 空自のケースでいうと、長距離の射程(ここでは450m以遠くらいの議論)は小銃ではなく別の火器が担うべきではないかと思う。航空基地のような設営にそこそこ時間をかけられるものなら、監視所に機関銃を備えるだろう。かつて海外派遣される自衛隊に機関銃1丁はいいが2丁装備させるななどというアホな議論があったが、さすがに今そんなことを言う国会議員はいない・・・と信じたい。

 

 サブマシンガンのように扱えるM-4を主兵装にして、狙撃銃(12.7mm口径のものすらある)や機関銃を組み合わせて拠点防御を考えればいい。

 

<続く>