Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

インフレか、デフレか?

 「緊急事態宣言」が終了して、ちょっと落ち着きを取り戻した日本(特に東京)である。経済活動は徐々にではあるが再開して、新橋駅前のサラリーマンインタビューも戻ってきた。ついでに酔客も・・・。

 

 もちろん南米・アフリカの感染拡大はまだピークを付けておらず油断はできないのだが、「After COVID-19」のこと、特に経済論は始まっている。僕が一番心配しているのが、インフレかデフレかということ。Web上には、第一次世界大戦後のドイツのようにハイパーインフレがやってきて1ヵ月分の給料で靴一足しか買えない時代がくるぞと危機感を煽る記事も見られる。

 

 どこかの政党の主張のように「お金を刷れ、みんなに配れ。まず100兆円、続いて100兆円・・・」などということをしなければ、そんな事態にはならないように思う。いろいろな記事を見て、一番納得できたのが下記の論説。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/349789

 

 デマンドプル(過剰需要)型のインフレの公算は、供給制約対象品(例:テレワーク用PC)は限定されているし、需要爆発の状況では全くないので心配いらないとある。ただ、中国・東南アジアなど資源や労働力の安いところからの輸入に代わり国内生産に回帰する傾向があるので、コストプッシュ(原価上昇)型のインフレはあるだろうとも書いている。

 

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 このところ世界はグローバル化で「一番安いところで調達し、一番高く売れるところで売る」を追及してきた。それが「安全」を意識して国内回帰するという理屈はよくわかる。中長期的に少しのインフレ傾向にはなるだろう。ただ直近の状況を見ると、

 

・料亭などの需要減で、高級食材が安くなった。

・都心の高い賃貸フロアから、IT企業などが脱出する動きもある。

・店舗等の営業不振や後継者難から廃業する事業者が、資材を売りに出している。

・個人でも持っている不要不急の資産を処分する傾向にある。

 

 というわけで、デフレ傾向である。僕はこれと政府が「108兆円の経済対策」でお金をバラまくことでインフレ・デフレが相殺されると予想していたのだが、実のところマネーサプライはそんなに増えていないとする統計も見た。

 

 インフレならモノを買っておくべきだし、デフレならキャッシュを保持すべきだ。個人の(ささやかな)生活防衛、さてどうしましょうかね。