Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「夜の街」の未来

 都会に「夜の街」はつきもの、程度の差こそあれちょっといかがわしい、人目をはばかるようなものの巣である。タバコの煙が充満していて、隅の方では「白い粉」さえ取引されるような話が、100年ほど前なら一杯あった。

 

 今や「COVID-19」の犠牲者数が、米国に次いで2位になってしまった英国。ジョンソン首相は感染から生還したようだが、国家全体としての状況は深刻である。昨年久しぶりにロンドンに出張して、本場の「Fish & Chips」を食べた。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/09/16/060000

 

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 公式日程が詰まっていて、到着した晩だけ仲間と気軽なディナーをしたのだが、こんな街中食堂は一杯ある。僕らが入ったのは割合「明るい」方の店、この街に詳しい人によるともっと「暗い」店もある。もちろん一見の旅行者などが軽々と出入りできる場所ではない。そんな店もひっくるめてロンドンの「パブ文化」である。その「パブ」が危機に瀕しているとの記事があった。

 

https://mainichi.jp/articles/20200509/k00/00m/030/096000c

 

 もちろん日本の「夜の街」も困窮しているので、ここロンドンだけの問題ではない。パブなどの飲食邸に対して、英国政府は6月末までの「休業補償」をしているというのだが、それでも9月末までに4割の店が廃業し32万人の雇用が失われるという。

 

 失礼を承知であえて言うと、「夜の街」の雇用というのは最後から二番目のセーフティネットである。いろいろな事情があって昼間のビジネスで収入を得るのが難しい人たちは、最後の糧をここに求める。前歴も学歴も問われないし、潤沢な資金も必要としない。才覚があればそれなりのビジネスになり、事業拡大も可能だ。すべてがそうとは言わないが、そんな人たちが32万人収入を失えば社会不安の種になる。

 

 ただ「三密」がほぼ必然の「夜の街」は、多くの人が免疫を持ったり特効薬ができるまでは復活できないしさせられないと思う。それには何年かの時間がかかるだろう。かといって6月末までの休業補償を、あと数年続けるというのも無理な話。

 

 答えがないことなので、せめて久しぶりに買った「Jonny Walker」の黒を呑んでみることにします。(隣は大好きなキアンティ・クラシコ