Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ロシアの譲歩は本物?

 今日は、かつての海軍記念日である。海外では「TSUSHIMA」と呼ぶ、日本海海戦が行われた日で、大国ロシアに発展途上国日本が艦隊決戦で完勝し、戦争自体もなんとか優勢勝ちをおさめることができた記念日である。

 

 その後日本海軍は「艦隊決戦思想」に取りつかれ、無謀にも巨大戦艦を作って米英に対抗しようとするのだが、それは別の話。日本海オホーツク海を隔てているもののロシアは隣国と言っていい。2億人以上の人口を持つ大国でもある。核兵器をはじめとする軍事力は強大だが、GDPについては韓国と同程度。いろいろ難しい隣国である。

 

 さきごろプーチン大統領は「COVID-19」感染拡大が収まらない中、経済活動再開を断行したが、これ以上の経済封鎖は社会全体がもたない感染拡大やむなしという判断だろう。加えて記録的な原油安、大統領の支持率も60%以下に落ち込んだと聞く。ある意味危機的状況である。

 

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https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020052301002010.html

 

 の記事にあるように、膠着した「北方領土交渉」で、ロシア側が譲歩したようだ。内容としては、北方領土に日露どちらの法体系を適用するかという「管轄権」の問題(当然両国は自国のものを主張する)を一時棚上げにしようというもの。「棚上げ」くらいで譲歩と呼べるのかは疑問が残るが、先方が「ニェット」一点張りではないということを記事は評価したのだろう。

 

 もちろん交渉が一歩でも半歩でも前進してなんらかの経済活動が成果を生み、相互に信頼感の醸成につながればそれはいいことだ。ただロシアという国の性格を考えると、オホーツク海を安全な海にしたい意識は非常に強く、北方領土返還どころか網走~根室の海岸線を手中にしたい(それでようやくオホーツク海が安全になる)くらいなのだ。

 

 この記事へのコメントの多くは、「この程度の譲歩は無視すべき」と言っている。北方領土を切実な問題としている人の存在も知りながら、僕も「無視派」に近い危惧を持っている。それにしても、ロシアの政情が不安定になるのは困る面が大きい。プーチン大統領だからなんとかまとめているが、他の人では無政府状態や内戦になってもおかしくないのだ。この国が暴発しないように、それこそ国際連携が必要なのですが・・・。