Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「御側用人」の危機

 テレワーク主体の働き方になって、おおむね3週間が過ぎた。隠居同然の僕は、「コロナ禍」の前からメインのはずのオフィスにいるのは業務時間の1/3もなかったろう。業界団体・霞ヶ関・青山のもう一つのオフィスを回っているし、月2回の海外出張ということもあった。

 

 だから職場内でのコミュニケーションはもっぱら電子メール、レポートも主たる報告者をTOにして、職場の人たちをCCしておけば興味があれば見るだろうと割り切っていた。もちろん社内(時には社外にも)の別部署の人も必要と思えばCC/BCCしておく。

 

 このスタイルは「コロナ禍」で原則テレワークになっても変わっていない。変わったなと思うのはCC/BCCの対象だった人たち。自身もテレワークで3週間出社していないなどと言って、何人かから返事が返ってくるようになった。少なくとも、通勤時間分は余裕ができているようだ。

 

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 また社内のメールのやり取りをモニターしていると、別の変化にも気づいた。僕だけでなく多くの人がレポートを電子メールで送るようになったので、僕にもCCが来るのが増えたのだ。そのメールのCC先を見ていると、途中で誰かが入り誰かが消えているのがわかる。これはどういうことだろうと、組織論の上から考えてみた。

 

https://diamond.jp/articles/-/234359

 

 ビジネス誌はテレワークという言葉が流行りだすや否や、「テレワーク⇒リストラ」と恐怖をあおる記事を書き始めた。この記事ではビデオ会議に呼ばれる人、呼ばれない人を例に「リストラ予備軍」が明白になると主張している。いくつかこういう記事を読んで思ったことだが、そもそも日本企業の多重階層構造は機動性が低いのだ。

 

 担当⇒主任⇒課長⇒次長⇒部長⇒本部長⇒統括本部長⇒理事⇒常務⇒専務・・・と連なるサラリーマン出世双六は、本当に企業の機能を生かしているとは思えない。Non Title ⇒ Management ⇒ TOP の三階層で十分だろう。今回のテレワーク導入は、それを知らしめてくれるのではないか。

 

 そこで社内メールのやり取りに戻るのだが、どの組織にも「御側用人」タイプの人はいる。レポートが電子メールで担当から社長に直接飛ぶような時代に、御側用人的機能は必要なのだろうか。僕には真っ先に「予備軍」になると思いますが・・・。