Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

見たこともない紙幣

 昔、まだ銀行殿納入システムに関わっていた頃のことだが、5万円札が発行されるとのうわさがあった。ご存知のように、日本の流通紙幣は500円札が無くなって以降、ほぼ1万円札と千円札になっている。次に多いのは5千円札だが流通量は少なく、2千円札に至っては滅多に見ることはない。(守礼門のデザインは好きなのだけれど・・・)

 
 ATM(現金自動預払機)や銀行の窓口装置は、当然これらの紙幣を扱うことができるよう設計されている。この中の部品である現金を入れるストッカーは、紙幣の混在をさせない方が運用上便利だ。だから1万円札と千円札のストッカーは存在する。しかし、5千円札や2千円札に割り当てるストッカーはないのでこれらは「例外の場所」に安置されることになる。
 
 30年くらい前、インフレがまだ続いていた頃には毎年国内で流通する紙幣の中で1万円札の比率が高まっていた。最高額紙幣の比率が95%になったら、その上の額面の紙幣の発行タイミングともいう。5万円札のうわさが出たのは、そういう頃だった。現にいつごろかは忘れたが、韓国では5万ウォン紙幣が新登場している。もし本当に5万円札がやって来たら、現行のストッカー数で賄えるかどうか心配をしたものだ。ストッカーの増設はほぼ無理、1万円/千円の分を削れるとは限らないからだ。
 
 結局5万円札は幻で終わり、ストッカーをどう割り当てるかという検討は無為になった。さらに欧米の金融監督機関や政府からは、日本の1万円札の存在はマネーロンダリングや各種犯罪(身代金を使用済み紙幣で払え等々)に利用されるとして廃止せよとの圧力がかかっているのが現状だ。
 
 しかし・・・である。聞くところによると欧州ではいまだに500ユーロ紙幣(約2万6千円)という高額紙幣がまかり通っている・・・いや流通していたとのこと。確かにドイツ・オーストリアは現金決済比率の高い国だとは思っていたけれど、結構旅行・出張などしていてこんな高額紙幣は見たことがない。(僕がお金に縁がないこととは無関係)
 

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 確かにフランスなどと比べるとゲルマン系の人達は現金主義だ。一方米国にも千ドル紙幣はあるというが、これも見たことはない。各国とも自国のことは棚に上げ、相手国のことばかりなじるようでは困ります。それでも無くなるとなると気になるので、「コロナ禍」が収まった後の欧州出張の際には500ユーロ紙幣を探してみたいと思います。