以前から興味があったスペインのタパス、居酒屋である「バル」で供せられると聞いていたが、立ち飲み風で1杯と一皿飲み食いして次の店に・・・というスタイルらしい。腰を据えて飲みたい僕たちには、ちょっと困ったシステムである。しかし通ったこの店では、そんな慌ただしさはなく、小皿料理としてのタパスを味わえて大変良かった。
◆パエリア
これで2人前なのかもしれない。やや小振りの鍋に豪華に盛りつけ、大きなレモンを2切れのっけてある。海鮮パエリアを選んだのだが、手長エビ(これはダシのようだ)1匹と大振りの海老が2尾、ムール貝がいくつも入っている。米は短粒種に見えるのだが、スープを吸う特別な種類のものらしい。
そのほかアサリのような貝、イカのリング状のものなどをスプーンですくい、鍋にこびりついている部分まで美味しく食べた。
◆タコのガルシア風
イカはともかく、ヨーロッパの人たちはタコをあまり食べない。悪魔のように見えると言ったドイツ人もいた。地中海諸国でも、ギリシアやマルタ、スペインの一部くらいがタコを普通に食べると聞いたことがある。以前から「ガルシア風」というものの存在は聞いていてマドリードではお目にかからなかったので頼んでみた。
タコブツのようだが、下にはジャガイモが敷いてあって一緒に食べるようだ。トウガラシかパプリカの粉末が、オリーブオイルと共に調味料としてかかっている。タコは歯ごたえがあって割合大きなものを使っているようだ。この店で2回食べ、他の店のサンプルなど見てみたがいずれも木の皿にのっていた。