Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

レティーロ公園

 HISから貰ったマドリード観光MAPの少なくとも1割の面積を占めているのが、「レティーロ公園」。ガイドブックによるとその広さは125ヘクタールに及ぶというから、坪数にして約38万坪。皇居が115ヘクタールなので、それよりも大きいということになる。 元は貴族の離宮庭園で、19世紀に市民に開放され公園になっている。この広大な公園、隣接してプラド美術館古書市、市役所の壮麗な庁舎などもあり、みどころは一杯ある。しかし時間にかぎりがある僕らとしては、ひとわたり歩いてみることにした。


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 北の端の地下鉄レティーロ駅で降りて、公園内をアトーチャ駅に向かって南下する。まもなく見えてきたのが、大きなプールとそれを見下ろすように立っている巨大な銅像。アルフォンソ12世のものだというこの騎馬像、その土台はめちゃくちゃ高い。周辺をローマ水道のような壮麗なアーチが囲んでいるし、狛犬代わりのライオン像の大きさも「半端ない」。プールには水鳥が泳いでいるほか、ボートの設備もあった。さすがに真冬に漕ぎ出しているひとはいなかったけれど。
 
 その南にはベラスケス宮殿、ガラスの宮殿があり、双方で何かの展示会を行っているらしい。ガラスの宮殿は、見た目ウィーンのシェーンブルン宮殿にあった温室に非常によく似ていた。こちらがまねたのだろうが、ハプスブルグ家のDNAが入っていることは間違いなかろう。

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 アトーチャ駅近くで折り返し、今度は植物園の前を通ってプラド美術館へ。隣接するホテル、リッツカールトンも含めて外壁修理中だったのは残念。いずれも由緒ある建物なので、メンテナンスが欠かせないとはいえ覆いがかけられたりクレーンが動いているのは興を殺ぐ。おおむね一周を1時間半ばかりかけて歩いた。
 
 真冬なのに多くの鳥が飛んだり泳いだりしていて、のどかな雰囲気の中で過ごせた時間だった。一方アルフォンソ12世の像など圧倒される規模の建造物も多く、往時の国力を偲ばせるものがあった。この公園、夜間は閉鎖されるのだが昼間もシェスタの時間(14時~)は人通りは無くなり、観光客がスリなどの被害にあうことがあるという。僕らが行ったのは12時ころ、警官も巡回していて治安の心配は全くなかった。
 
 正直「立派」の一言である。かくも壮大なものが中央駅の目の前にあって、市民の憩いの場になっているというところに豊かさを感じた。今はちょっと寒いのですが、この国を好きになりそうです。