Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

5Gリスクに対する技術的仮説(後編)

 Microsoftは、IBMAppleの台頭を受けて「ガレージメーカにはガレージメーカで対抗」するとして、Entry Systems Divisionで「IBM/PC」を作り始めた時、世に出た会社。これまで厳格な自前主義だったIBMが、チップをIntelからOS(Operating System)を同社から買って、製造販売を始めたのだ。

 

 当時、僕はIBM-Watcherをしていて、後にはOSの購入交渉も担当した。40年近いお付き合いのある会社と言ってもいい。当初は「ケダモノ外資」(失礼!)の典型のように思ったのだが、ビジネスがOS一歩足でなく、多様なサービス(クラウドなど)も手掛けるようになって変わったと思う。

 

 それこそ世界を席巻する技術力・製品競合力を持ったわけで、社会貢献のスタンスも厚くなっている。そんな先輩格を見ていると今「ケダモノ」扱いされているGAFAも、成長するにつれ当たりが柔らかくなるだろうと僕は思っている。

 

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 Microsoftは一昨年、フランスのマクロン大統領が「サイバー空間の信頼性と安全性のためのParis Call」を発表した時も、その中核にいた。今回のAffiemed Networks社買収も、目的は「Global 5G-EcoSystemにあたらな機会を提供」することだと述べている。

 

 具体的には、MicrosoftとAffiemed Networksのコラボにより開発した技術で、通信キャリアに対して、

 

・安全で信頼できるクラウドプラットフォームを構築

クラウドでのネットワークワークロードの管理などが可能

クラウドベースのソフトウェア定義ネットワーキングを5G接続の世界に拡張

 

 するソリューションが提供できるようになる。発表の最後に「私たちは既存のサプライヤー、新興イノベーター、およびヨーロッパ、アジア、米国、その他の市場を含む世界中の他の利害関係者と緊密に協力して、このビジョンの実現を支援します」とあるように、Huawei排除という極端な方法に拠らず、中国を含む世界中に信頼性ある安全なネットワークを提供することで「EcoSystem」だと言いたいようだ。

 

 コンピュータシステムもクラウド技術によって仮想化され、どのメーカのチップだストレージだサーバだということは意識されなくなった、それと同じことが「安全に」次世代ネットワークでできるか、有力な仮説だと思います。