楽天の新規参入がどうなるのかはわからないが、どうやら携帯キャリア3社の第五世代(5G)移動通信システムの料金体系が見えてきた。各社現行4Gの料金にわずかに増したプランを提示している。これはまだ5Gを使える領域も限定されている上に、魅力的な(5Gでなくてはいけない)サービスの登場がまだだからだ。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2003/24/news055.html
地域限定については、以前大手キャリアの幹部がB20の場で発言したように「5Gはオーバーレイ、4Gの上に重ねる形のサービス展開をする」からだ。ユニバーサルサービスとして津々浦々に展開するものではないと、最初から分かっていた。
https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/05/22/060000
魅力的なサービスについては、例えばオンラインゲームや動画配信を3G携帯では楽しめなくなったことを思い出していただければ分かるだろう。3G携帯用のサービス/アプリをはるかに超えた画質・音質でゲームや動画を楽しむためには、4Gの通信能力が必要とされる。
だから4Gゲームや動画を超える画質・音質のアプリ/サービスが出てくるまでは、4G携帯でも5G携帯でもできることに大差はない。ゆえに現時点では料金体系も4Gを超えて・・・は難しいのだ。新しい技術を導入する最初は、何でもそんなものだ。一桁以上上がった性能を活かせる何かがなければ、誰も技術だけを喜んで買ったり使ったりしない。技術には、それに合ったアプリケーション(応用分野)が付いていなければ意味がない。
僕は40年間新技術とそれに合うアプリケーションやサービスを追いかけてきたので、早くそれらが出てきてほしいと思うし、競合他社より早く見つけないといけないと意気込んでいた。ただ今回だけは、魅力的なアプリケーション/サービスがしばらくは出てこないことを祈っている。それというのは、5G移動通信システムを巡る国際対立が激しいからだ。よくトランプ先生が「Huaweiを叩き潰せ」などと喚いているが、中国企業が5G技術で優位性を持っていてそれが米国の安全保障にも直接的に影を投げているからだ。
<続く>