Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

コロナ不況対策の20万円(後編)

 提案のポイントは下記である。

 

◆背景 消費増税や米中摩擦に加えて新型コロナによって日本経済が急激に落ち込むリスクがある。

◆提案 2009年に有志議員が提案した「政府紙幣を発行し、全国民に20万円分を配布」をいまこそ実施。

◆効果 GDPを名目2.3%、実質2.2%押し上げる。

◆リスク 物価上昇、長期金利上昇も心配するほどではない。

◆加えて 格差是正や労働者が安心して働ける環境を整えるきっかけになる。

 

 新型コロナの終息が見えない段階で20万円という金額が妥当かどうかの議論はあるが、この方がこれまでに述べてきた煩雑な手続きやスキームをつくる時間を縮める効果があることは確かだ。ただ提案した人たちの究極の目的は、最後の「加えて」の項目にあることは確かだし、本当に格差是正をしようと思えば「ベーシックインカム」のような副作用のある政策によらざるを得ないと思う。

 

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 何度か申し上げているように、この20年の日本経済は格差が広がったのではない、グローバルに見て平準化されるプロセスにあるのだ。日本だけの狭い視野では、格差が広がりデフレに見えるのだが、世界全体で物価や人の価値が平準化されつつある課程なのだというのは上記の記事で主張している。

 

https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2019/04/12/120000

 

 ただ今、この瞬間の日本経済を支えるために「20万円/人給付」はありうる策だと僕は思う。前に述べた正規社員の何日休業にはいくら、フリーランスの場合にはいくらなどとめんどうな計算をしなくても、証明書をそろえなくてもすぐに給付できるはずだ。では、それをどのように行うか、僕はいまこそ「マイナンバー/マイナンバーカード」の出番だと思う。

 

 例えば電子マネーアプリをマイナンバーカードに入れて、市役所に来てくれたもしくはオンラインでつながった人(のカード)には即日20万円ダウンロードされる。電子的なカードではなく「通知カード」しか持たない人は、申し訳ないけれど市役所に来てもらう。通知カードを無くした人は・・・済みません再発行するので数週間待ってね、という具合。

 

 僕の立場からすれば、課題となっていた「マイナンバーカードを持つインセンティブ」ができることになる。誰かこのようなスキーム考えてくれませんかね?