Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国際通りと周辺の市場(後編)

 6年ほど前、観光客でまずまず賑わっていた牧志公設市場でさえ、今回はプレハブ造りで寂しくなっている。そのさらに奥、ずっと奥でぽつりぽつりと商売していた時代錯誤のような市場など、消えてしまったのではないか。もともとが国際通りからドブ川沿いに行ったところの土地を、地域の住民が不法占拠して作った・・・というより屋根だけ建てたような市場である。

 

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 念のためスマートフォンの地図で調べてみると、「農連市場」ではなく「のうれんプラザ」というものがある。家内が「農連市場はドブ川沿いにあったよ」というのだが、確かに「プラザ」の脇には川の表示がある。とても分かりにくい道を進んでいくと、立派なコンクリート造りの「プラザ」に行き当たった。光り輝くといえばオーバーだが、国際通り沿いに建てても決して恥ずかしくない造りだ。先日某省の課長と「沖縄振興予算」の話をしていて聞いたことを、ふと思い出した。

 

 「技術開発とか研究のことはいい。ただ土地建物の話が出たら要警戒。結局土建屋におカネを落とすビジネスモデルだから」

 

 と注意を促された。俗に「ハコモノ行政」というが、ここ沖縄ではその傾向が非常に強く残っているということ。建物の1階には50ほどの店舗スペースがあり、食品・お土産物・植物など幅広い事業者が入っていた。まだ全部埋まり切ったわけではないようだ。

 

 以前も市場の中でずーっともやしの根を取り続けているおばさんたちがいたのだが、ここでもその風景が見られた。他の場所で「もやし専門店」など見たことがないが、ここにはそれがある。個人事業者(野菜などの生産者)が商品を広げるスペースも用意されているし、道沿いには数軒の飲食店、2階にも何軒か飲食店があった。

 

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 以前の「農連市場」とのギャップがありすぎてちょっと心の整理がつかないまま、ドブ川の上に作られた国際通りまで続くアーケード街をゆっくり歩いて戻った。道端で売られているものはさらに雑多、中には台北で喜んで買ったスターフルーツまである。アーケードの終点、国際通りに出ると、そこは「驚安の殿堂:MEGAドンキホーテ」だった。

 

 沖縄振興予算がハコモノに、そして作ったハコモノにお店が入るのだが、インバウンドの低迷で国際通りでは閑古鳥が鳴いている。牧志公設市場の再建がなった時にどうなるのだろう。基地問題はあるけれど、本当の沖縄振興って何なんだろうと思いながら帰路につきました。