Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

諮問機関のはずなのに(前編)

 一戸建てに比べて、マンションは管理で楽な面が多い。子供の頃住んでいた田舎の家は、寒さで水道管が凍ったり大雨で排水管が詰まったりした。賃貸マンションで一人暮らしを始めて、その落差に喜んだものだ。やがて自分でもマンションを購入して住むようになると、管理組合と理事会、管理会社の関係というものを知ることになる。

 

 昨今話題のタワーマンションでなくても、それなりの戸数が集まれば管理組合の役割は重要だ。ふと見たニュースで、管理組合運営に修繕委員会委員長という人物が大きな影を落としているというものがあった。

 

https://www.mag2.com/p/news/439184

 

 大規模修繕では、億単位のお金が動く。管理会社が専門家を派遣してくれるのだが、その言いなりになって無駄遣いをさせられることもある。管理組合が修繕などに詳しい住民で「修繕委員会」を設置し、長期修繕計画などを「諮問」するのはよくあること。ただし委員会が暴走して、修繕事業者と結託しバックマージンを要求するようなリスクがある。本来諮問機関である「委員会」が、執行権限をもってしまったケースだ。

 

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 実は今僕らの住んでいるマンションでも、、過去に似たような事件があった。当マンションは、元は温泉旅館だったところ。敷地内に源泉があって、温泉が使える。それはいいのだが、源泉含めた温泉の維持管理には相当のお金がかかる。おおむね修繕関係の費用は、建物躯体・機械式駐車場・温泉周りで三等分といったところだろう。

 

 そんなわけで当マンションには「修繕委員会」に加えて「温泉委員会」というものがあった。専門知識を持つという2人の住民がメンバーになって、温泉周りのメンテを委託している事業者を監督し始めた。源泉をくみ上げる管(揚湯管という)は1年の間にボロボロに腐食してしまうので交換が必要。加えて、毎月のように何かのメンテが要るのだ。

 

 ところがある日、急に「臨時総会」の通知が来た。しかも長く管理組合の理事長を務めてくれた人が理事長を辞し、理事長空席のままである。議題は「管理会社の交代について」だ。驚いて何人かの知り合いに聞くと、温泉管理について理事会で意見の対立があり、反理事長派が優勢になったという。

 

 どうも理事長と現在の管理会社が反対するようなことを温泉周りでやりたい人たちがいて、理事長を辞めさせ管理会社を替えようという企みらしい。

 

<続く>