Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

情報公開で助かりました

 今日はある業界団体の会合で、20社ほどの人たちが集まってきていた。この種の会議はゲストスピーカを呼んで話をしてもらいQ&Aもして、各企業に情報共有をしてもらうことと、会議で何らかの議論をしたり対外公表文書などを決議することもある。良くあるのは、その2つを一緒にやること。

 

 一つの目的だけでは忙しい企業人を集めるのは非効率ということもあろうし、企業の人としてもどちらかに興味があればやってくるから参加率も高まる。今日のこの会合もゲストの講話と決議事項の二本立てだった。ところが会議の直前になって・・・

 

 「え、ゲストが急遽欠席だって?」

 

 理由を聞くと、ゲストの人は先週ある病院で受診したのだが、その時診断してくれた医師が新型コロナウィルスに感染していたことが分かったのだ。ゲストの人が所属する組織は、その人に自宅待機を命じ講話する予定だった業界団体に断りの電話を入れてきたわけ。

 

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https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/02/16/140000

 

 先日感染者情報は出来る限り公開すべきだと、それを拒否していた北海道を非難するような記事も書いたのだが、北海道も方針を転換し情報公開をしていた。ゲストの人が受診した病院で診察してもらった医師が感染者だと分かれば、彼は濃厚接触者ということになる。

 

 新型コロナウィルスは発症していない状態でも感染を広げることはすでに知られているので、ゲストが自らを濃厚接触者だと知らずに業界団体の会合にやってきてしまえば僕らも感染リスクに直面するところだった。むろん彼が保菌者ではなかったかもしれないが、それは結果論。今回その病院や自治体が、当該医師の感染を公開しなかったらと思うと背筋が寒くなった。

 

 

 致死率は高くないとはいえ、蔓延を防ぐことは極めて重要。すでに危機管理の領域に入っていると思う。そんな中で「個人情報保護」については平時とは違った扱いがあってしかるべきだと思う。すでに多くの自治体や機関でギリギリの情報公開に舵を切ったところが増えているようで、僕自身はほっと胸をなでおろしている。

 

 よく「平和ボケ」と言われる日本人や日本の組織ですが、危機を感じれば意識は変わってくれると信じていますよ。