「Emotet」は、2014年ころから欧米ではポピュラーなウィルスだったらしい。日本ではあまり見かけなかったのだが、昨年10月頃から日本でも検出されるようになり、分かっているだけで8,000件/月の攻撃があったという。
以前からメールに添付されるウィルスは、日本でもよく知られている。ただ送信元が見知らぬアドレスだったり、タイトルが不自然だったり、メール本文がいかにも嘘くさいものは、慣れた人ならさっさと消すか社内関係部署に連絡する。
それが「Emotet」は、どうにかして入手した脆弱な端末のアクセス権を使って、被害者のメールに返信するような偽装もする。添付Fileも「人事異動」とか「論文審査結果」とか、狙った人が興味を示しそうなものと示唆してくる。サラリーマンが「人事異動File」を見せられて、開かない方がどうかしている。被害は瞬く間に広がるわけだ。
昨年米国のある市が議会で身代金支払いを議決した話は聞いていたが、その原因がこのウィルスだったことは今回教えてもらった。犯罪集団も日本語のニュアンスを操れるようになって、とうとう日本に牙をむいてきたわけだ。こういう最新トレンドを知るというのも、シンポジウムのメリットではある。
しかしその後は、もうひとつの話題「リスクコミュニケーション」の話になった。出していただいたお弁当は「重ね弁当:松風」、二色のご飯と多様な和風おかずを詰め合わせた豪華なものだ。梅の花をかたどったと思われる、お赤飯が嬉しい。昆布巻きや焼魚を頬張りながら、TOPにとってリスクマネジメント&コミュニケーションはどうあるべきという話になった。
主催者が出してくれたのが、日経BP最新号。巻頭インタビューは昨日亡くなった野村克也氏だった。日経さんによると、少し足腰は弱っておられたようだが監督としての野球頭脳は明晰だったという。「追悼記事になってしまいました」との言葉が重かった。
連敗を続けている時、主戦投手が故障したかもしれない時、マネージャーは何を考えどう選手やマスコミ(とその後ろにいるファン)とコミュニケーションするか、そんな話は「経営課題解決シンポジウム」に相応しいものだった。
え、その中身だって?いずれお話しできることもあると思います。少し待ってね。