付き合いのある外資系の人から、新年会の案内を貰った。名義はACCJ(The American Chamber of Commerce in Japan)である。デジタル政策に口を挟んでいると、どうしても国内企業だけでは決着しない。欧州の企業もいるのだが、どうしても付き合う相手は米国企業が多くなる。
そんなわけで、新年会の案内をいただいた。指定された場所は帝国ホテルの中二階にある「光の間」、聞くと毎年ここで開催されるらしい。新年会(SHINNENKAI)とローマ字で書かれているのが、いかにもである。日本企業なら「賀詞交歓会」というはずだ。現にある日本企業の「賀詞交歓会」が、同じホテルの別の部屋で行われていた。
少し早めに着いたのだが、もう結構な数の人たちがいてワイングラス片手に談笑中。入り口では米国大使館の幹部と、ACCJの代表(今はGoogle日本法人の社長)が夫婦で来客をお出迎えしてくれる。もちろんその脇には両国の国旗がある。
知り合いを見つけてしばらく話し込んでいると、急に照明が消えた。まずACCJ代表が挨拶し大使館の人がそれに続いた。さらに日本の外務省の人も加わって、ハッピを着ている。壇の上には「四斗樽」が・・・。なんと日本的な事か。
招待状をくれた人と話してその謎が解けた。ACCJは1948年という戦後間もない時にできていて、そのころの日本の風習を学び解けこもうとした。その名残がいまでもあって、どんな日本企業よりも「昔の日本臭い」のだそうだ。
鏡割りの儀式が終ると、ウェイターが一合桝に1/2ほど日本酒が入ったものを、お盆に並べて廻ってきた。あまりに懐かしいので、手にしていた白ワインのグラスをテーブルに置いて、それを手に取った。お酒も美味しいのだが、なんといっても桝の木の香りがすごい。「いやー、日本人で良かった」と思ってしまった。
知った米国人も何人もいたが、どうしても日本人同士の会話が増える。格式の高い「新年会」のようで、自民党の大物はじめ何人かの国会議員も見かけた。何しろ人数の多い会合で、イモ洗い状態ゆえなかなか食べ物に辿り着けない。それでも食べ物じゃないですよね、人と会うことが第一義の会合だと思いました。気に入ったので、来年も招待してもらえるとありがたいですね。