Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

サイバー軍兵士の軍服

 世界最強米軍は6軍編成である。陸海空の3軍に海兵隊沿岸警備隊の5軍は第二次世界大戦以前からある。現在はこれに宇宙軍が加わって6軍になった。昨年末宇宙軍を陸軍や海軍などと同格の「独立軍」として規定する法律の施行に伴い、人員16,000名の軍として活動を始めている。軍ならばいろいろ決めなくてはならないことがあるが、そのうちのひとつ「軍服」が、今回お披露目された。

 

https://www.cnn.co.jp/usa/35148178.html

 

 なんで宇宙なのに迷彩柄なんだという疑問も出たようだが、宇宙軍とはいえ他の軍との共同作戦もあるから宇宙空間でのみ活動するわけではない。軍の制服/戦闘服としては、あまりとんがったものにはできなかったようだ。

 

 この記事を見て思ったのが、サイバー戦線で戦っている軍人の軍服って何なんだろうということ。例えばイランのスレイマニ司令官を暗殺したときの作戦で、AIドローンを運用していた軍人はどんな服装だったのかを考えてみた。ネバダ州の「エリア51」にいたのかどうかはともかく、その軍人たちがイランから目視されていたはずはない。Tシャツ、短パンでもオペレーションは可能だったはずだ。

 

        f:id:nicky-akira:20200118075402j:plain

 

 でもこれはれっきとした戦争行為、国際法のたてつけでは「軍服」を着ていなければ正規の軍人の行為とはみなされない。トランプ先生たちがお嫌いの「ゲリラ」と同じである。僕はかねてから「サイバー空間には新しい条約、法規の体系が要る」と主張しているが、その一部として、「前線に身をさらすことなく、サイバー空間で戦う兵士の身分や服装」も定義すべきだと思っている。万一捕虜になった時の扱い(ゲリラは射殺されても文句は言えない)に違いがあるからだ。

 

 あるところで、本件を有識者に聞ける機会があった。すると、「大型のドローンを運用するときは制服着用をする。スレイマニ事件の時は制服着用だったろう」との答えだった。イラク軍が「エリア51」に入ってきてオペレータを捕虜にすることは考えられないけれど、米軍は律儀に国際法規を守っているということだ。

 

 それでもサイバー空間でアバターが軍服を着ていればいいではないか、というデジタル系の意見も聞こえてくる。うーん、細かな話ですがこれも論点ですね。