Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

プーチンさんのWindows XP(前編)

 トランプ先生のTwitter広報(?)は万人に示されるものだからいいのだが、大国の為政者が自らデジタル機器でメモしているようなことを他国(特に仮想敵国)に知られては一大事である。そういう理由とはちがうのだろうが、かつての小泉総理秘書であった飯島氏は、「総理にはケータイは持たせない」と豪語していた。「連絡したければオレを通せ」という意味だったのかもしれない。

 

 驚いたニュースが飛び込んできて、ロシアのプーチン大統領Windows XP搭載のパソコンを使っているとのこと。

 

https://gigazine.net/news/20191218-russia-putin-windows-xp/

 

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 クレムリンの大統領執務室の写真が2枚掲載されていて、パソコンにはクレムリンの壁紙を表示たディスプレイが写っている。ツールバーなどの体裁はXPのものに似たように見える。この記事では、すでに2014年にサポートが終わったパソコンをプーチン大統領が使っていると紹介されている。もうすぐWindows7のサポートが終わるというので、家電量販店などでは「早くWindows10搭載機に買い替えましょう」とキャンペーンをしている。

 

 サポートが終わると、改良版のプログラムが入手できなくなる・・・というより誰も改良してくれなくなる。使い勝手の改良くらいならいいのだが、新しく見つかった脆弱性の対策がされないのが困る。古いWindowsはまだ世の中にいっぱい使われていて、2017年の「ランサムウェアWannacry」の事件もWindows XP脆弱性をついたものだった。OSの更新をサボっていたPCや、制御系システムなどに組み込まれたものが(24時間稼働などの理由で)更新できていないケースもあったわけだ。

 

 つまりプーチン先生のパソコンは、「Wannacry」かその亜種に感染したらデータが氷漬けにされる恐れがあるということ。そんな危ないものを大国ロシアの国家元首が使っている事態を、この記事は「ロシア政府のシステム移行が進んでいない証拠」としている。

 

<続く>