Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本郵政の闇が広がり・・・

 かんぽ生命保険の不適切販売について、外部弁護士らからなる特別調査委員会は、「不適正募集が黙認される風潮が形成されていた」と断じて、日本郵政全体の責任を追及している。高齢者に高額の契約を結ばせたり、解約したいという人を「出来ない」と突っぱねるなど、悪質な営業行為が見過ごされて・・・いや一部では褒章されていたらしい。

 

 公営事業が民営化されたときに、どうしても起きやすいのが「武士の商法」というやつ。それまで公僕として正確さや真摯さを求められてきた人たちが、一転「儲けてなんぼや」の行動に移るとろくなことにはならない。今回の件も、過剰なノルマが現場を不正に走らせた面が大きいと思う。

 

 小泉改革の目玉だった「郵政民営化」、僕も少しは関りを持っていたし知り合いも何人も「日本郵政」に移っていった。民間からの人もいれば、霞ヶ関からの人もその中に含まれる。長門社長らがカメラの前で頭を下げる映像を見ながら、彼らは今頃どうしているだろうかと思ったりもした。

 

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 気にはなったのだが、それはそこまでのこと。僕に何かできるわけではないから、気をもむことはなかった。しかし金曜日、ニュースを見て愕然とした。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53616720Q9A221C1EE8000/

 

 鈴木総務事務次官日本郵政の処分検討状況を同社側に漏らしたとして、事実上更迭されたのだ。高市大臣も責任を取って、給与3カ月分を返納するという。鈴木さんとは彼が審議官(局長の下)のころからの付き合いで、日米や日欧のデジタル政策会合にご一緒させてもらったことがある。

 

 総務審議官(局長の上)時代ワシントンDCの民主党シンクタンクで、日米のデジタル政策協力を議論するセッションで同じ壇に上らせてもらった。昨日紹介した「日欧ICT戦略ワークショップ」の日本側議長でもあった。海外だけではなく国会議員の先生たちの前での議論の場でも、フェアな話ができた人だった。見識はもちろん、信じられる性格の人だと思っていたから驚いたわけだ。

 

 漏洩を認めたという発表なので仕方ないのだが、僕の趣味のミステリーでは、時々「誰かをかばった自供」というのもあります。まさか、そんなことはないですよね。もしそうなら、いやそうでなくてもすごく残念・・・。