Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

黄色いベスト

 OECDのフォーラム2日目は、金曜日の午後1時半に終了する。今回の赤い日系航空会社のフライトは、ドゴール空港を午後7時に出るから、その日のうちに帰路につくことができる。普通ならもう一泊してフォーラム関係者と夕食や会合をし、翌日お土産など買ってゆっくり帰るのだが今回は少し気になることがある。

 
 昨年のことになるがパリで起きているデモやそれに便乗した暴動は、いつも「暗黒の土曜日」に起きた。今でも土曜日は気を付けた方がいいよと現地の知人が言うのだ。主な舞台となった凱旋門シャンゼリゼから少しは離れているとはいえ、ポルト・マイヨに泊っている僕にとってはあまり関心しない土曜日になってしまうかも・・・。そこでフォーラム終了後直接空港に向かい、その日のフライトに乗ると決めた。さてOECDを出て例の空港直行バスに乗るのだが、選択肢が2つある。来た時と同じ2号線には、トロカデロ駅か凱旋門(エトワール)駅で乗ることができる。
 
 一方、慣れたリヨン駅前からは4号線が出ている。ラ・ミュエット駅で地下鉄に乗り、トロカデロまでは6~7分、そこで乗り換えて凱旋門駅までは合計15分ほど。トロカデロを通過して、F・D・ルーズベルト駅で乗り換えると、リヨン駅までは合計25分くらいだろうか。直行バスに乗ってからは4号線の方が少し早く空港に着くし、渋滞による遅延の可能性も低い。凱旋門周辺は水曜日に降りた時も平静だったけれど、妙な騒ぎに巻き込まれるのもいやだ。そこで勝手知ったるリヨン駅前からの4号線に決めた。

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 バス停に着いてバスロケーション表示を見ると、10分ほどで来るようだ。ちょっとだけほっとしていると、中心街の方から「黄色いベスト」が乗った自転車が・・・。ひとりだけだったし、通り過ぎてくれた。自動車社会であるフランスで、事故などに備えて各車に搭載を義務付けられているのがこのベスト、庶民・労働者の象徴ということ。
 
 マクロン大統領の考えや政策は、僕は間違っていると思わない。先進国ではどこでもそうだが、格差が拡大し庶民は税金や社会保障費の負担増ほど所得が増えないので怒っている。これがポピュリスト政党の台頭を招いているのだが、彼らの政策を本気でやれば国家が破綻してしまう。マクロン政権は右派からも左派からも見放されたというが、先進国に共通する政治不信を象徴した事件の渦中にあるようだ。日本の政治は、よくやっている方なのでしょうかね。