Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

パリのOECD本部

 冬至ころのパリの朝は遅い。朝8時にホテルを出たのだが、まだ未明。気温は零下2度とスマホが教えてくれる。ポルト・マイヨ駅からF・D・ルーズベルト駅で乗り換え、ラ・ミュエット駅まで約20分かかった。OECD経済協力開発機構と訳されているが、もともとは第二次欧州大戦の戦後処理でアメリカが欧州各国に援助をした「マーシャルプラン」の受け入れ機関として1948年に発足したもの。


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 現在では欧州の枠を超え、アジアや旧共産圏なども加えて世界経済全体への貢献を目指す機関である。その目標は、経済成長・発展途上国の開発・貿易振興である。5年ほど前にOECDの産業界のカウンターパートであるBIACを訪問したことがあるが、OECDを訪れるのは初めてだ。
 
 駅の名前ラ・ミュエットは、OECDが置かれた宮殿の名前でもあるらしい。なかなか荘厳な建物だ。出入りのチェックは厳しい。まず門で送られてきたQRコードを見せ、パスポートを出す。そこでようやく建物の中に入れてもらえるが、すぐにあるのは空港同様の保安検査所。寒い時期なのでみんな重装備をしている。コートやマフラー、あげくベルトを外したりしているからなかなか列が進まない。
 
 そこを切り抜けても、次は入場用のバッジを出してもらわないといけない。30分くらい余裕を見て出てきたのだが、会議にはぎりぎりになりそうだ。バッジをかざしてゲートを抜けて会場へと降りて行った。いくつかある部屋のうちの一つで僕の参加するフォーラムが行われていて、参加者は150人くらいだろうか。各席には、同時通訳のヘッドフォンセットがあった。試してみたが、英仏翻訳だけだった。当たり前だが・・・。

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 ランチは立食形式で、「宮殿の別館」に案内された。あっさりした内装の会議場とは違って、豪華な雰囲気。しかし非常に混み合っていて、議題の事も頭にあって食欲もない。中にはワインを飲んでいるヤカラもいるが、つつましやかな東洋人にはペリエで十分である。一日目の会合が終わりレセプションになったのだが、ここも人込み。早々に切り上げてホテルに帰ることにした。今なら、見つけておいた近くのスーパーマーケットで買い物をして帰れますからね。