Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

凶銃「XM-177」

 神戸山口組の幹部が銃撃され死亡した件、日本では非常に珍しい「自動小銃」を使った銃撃事件だった。メディアは盛んに山口組と神戸山口組の抗争を書き立てているが、一般市民生活に大きな影響はないと僕はタカをくくっている。「暴力団」に類する組織は世界中の国にあるが、日本は法律上の定義が存在する珍しい国。かなり制御されていると考えていい。

 

 それよりも今回の凶器については、疑問に思うことや考えさせられることが多くて僕はそんな情報ばかり追いかけていた。一部報道で「M-16」と凶器を紹介していたが、実際は「XM-177」。「M-16」のバリエーションのひとつで、ジャングル戦闘など見通しの効かないところや空挺降下する際の武装重量軽減を目的として開発されたものだ。

 

 機関部は「M-16」そのままだが、銃身が短くストックが引き出し式になっている。これにより全長が短くなって、コートの下などに隠しやすくなった。サブマシンガン的な使い方ができるのだが、多少有効射程が短くなったとはいえ5.56mmNATO弾を発射できるので、200m以内なら危険な武器である。さすがは日本屈指の暴力団、こんなものを獲物として隠し持っていたわけだ。とはいえ、事件報道には不思議な点が多々ある。

 

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 「最初回転式拳銃で撃とうとしたが弾が出ず、自動小銃を使った」という容疑者の供述は、いかにも変だ。通常最大火力で火蓋を切り、弾丸が尽きるなどしたらサイドアームに切り替えるものだ。また銃器の中で一番信頼性のある回転式拳銃が、故障(ジャム等)するのも信じがたい。

 

 また銃声を聞いた人によると、フルオート射撃ではなく単射している。これで20発の弾倉を撃ち尽くして、しかも顔面にあてるなど不可能だ。「ゴルゴ13」ではあるまいに、まず胴体を狙って連射するはずだ。そのように主張している容疑者は、混乱していたかウソを言っているかのどちらかだろう。おそらく、暗殺者は銃器には未熟練だったと思う。

 

 世界中にこの種の凶器は溢れていて、「AK-47」など$10で買えるらしい。これらの武器は、2~3秒で20~30発の弾丸をバラまける。とうとう日本でもこんな事件が起きてしまった以上、一般市民もこういう凶器についての知識を持って身を守ることを心掛けるべきでしょうね。