Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

エキスパートシステム

 現在のAI(人工知能)ブームというのは何度目なのだろうか。僕が学生のころから、何度かこの言葉が流行した時期がある。最初に出会ったのは「Thunderbird」流の人形アニメで、「Joe90」とかいった。専門家にヘッドギアをつけて知識を吸い取り、それを訓練された少年に「Input」すると彼は一定期間その専門家と同等の知識を持つというもの。今にして思えば設定に無理があり、「Thunderbird」ほどの人気は出なかった。

 

 1985年ごろ、僕は30歳ちょっと前。やはりAIブームがあった。ICOTという機関が設置され、「第五世代コンピュータ」の開発が国がらみで進んでいた。民間企業でもAI言語「Prolog」や「Lisp」を使ったシステム開発が進み、専用システムも発売された。名称は「エキスパートシステム」。少年に知識を刷り込むのではなく、知識をデジタル化してプログラムから参照できるようにしたものである。

 

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 僕の記憶では、コンビニ店長さんの知識をルールベースにして、何人かのアルバイトの勤務時間を、荷ほどきや陳列・レジ・商品の補充・書類整理などに振り分けることの自動化をやっていた。明日は地方祭だから仕入れを増やす、雨が降りそうだから棚の商品の配列を変えるなどのルールが、このシステムにはInputされていた。これらのエキスパートシステムがどのくらい売れて、どのくらいの店長の業務が楽になったのかはわからない。いつの間にか、この言葉は忘れ去られた。

 

 それが今般のブームでは、本当に使えるものになったかもしれない。人手不足で時短操業もしなくてはと悩むコンビニ業界ではなくて、金融業が主戦場になろうとしている。

 

https://president.jp/articles/-/30756

 

 数年前、日銀の友人が「デジタライゼーションでなくなる100の仕事」という記事を読んで、半分近くが金融業だと嘆いていたのを思い出す。確かに金融業は「情報産業」で、比較的ルールベースで仕事をする。この仕事で20年、俺の経験・・・などと思っていたら、エキスパートシステムがイスを持っていってしまったというわけだ。うーん、ブルーカラーはロボットとの競争、ホワイトカラーはエキスパートシステムとの競争にさらされるということですね。厳しい時代、人間はどうすればいいのでしょうか?