Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本人に英語は必要か?

 大臣がいかに抗弁しようと「身の丈に合わせて・・・」発言が、来年の大学入試に関わる英語検定試験制度改訂の延期につながったのは疑いがない。日本人が相対的に英語が下手、特に会話が下手というのは、僕も実感として持っている。かくいう僕自身が、それこそ身の丈を無視して国際会議などに顔を出すものだから、より痛切に感じている。

 

 だからスピーキング・ヒアリングの教育を若いうちからと、教育行政が考えるのは無理からぬところ。自分にできたのだからみんなできるだろうと、霞ヶ関の人たちは思うかもしれない。大学入試に関しては、多くの人たちの意見があるので門外漢の僕はコメントを控える。しかし小学校高学年での必修科目化については、異論がある。

 

 なぜかと言うと「日本語が話せない日本人が多い」と聞いているからだ。語学はすべての学問の基本だ。正しい日本語を読み書きでき、日本語で考えることで他の能力が磨かれる。数学の問題も、理科のロジックも、政治や経済の意味も、みんな言語で学ぶはずだ。いかに早く日本語で考える力を身に着けるかという小学校高学年の時に、別の言語を必修にするのはいかがなものかと思う。

 

        f:id:nicky-akira:20191103134121j:plain

 

 英語の授業を必修化すれば、何かを削らないといけない。TVニュースで高校の校長が「スピーキング・ヒアリング入試対応のために他の教科を苦しみながら削ってきたのに」と怨嗟の声を上げていたが、このあと小学校でにたようなことが起きる。そうまでして得た英語能力、では使えるのかというとネガティブな意見があった。

 

https://news.nifty.com/article/magazine/12210-453016/

 

 「日本人の9割に英語は不要」と言うこの人物、僕も会ったことがある有名外資系企業の日本法人社長をした人。彼の言っていることは、正しいと僕も思う。本当に必要な英語力は、仕事の中で身に着けるしかない。もう少し若い時期にというなら、大学で英語で専門教科を教える比率を増やせばいい。例えば沖縄の科学技術大学院大学では、全ての授業が英語だそうだ。

 

 先日の故郷での同窓会、そこに集まった人たちの日常を聞くと、英語で困るようなシーンはほぼない。今後グローバル化するとはいっても、義務教育で英会話というのはちょっとやりすぎだと思いますよ。