台湾工業技術研究院(ITRI)との日台対話は丸一日の日程、ランチタイムはどうするのかと思っていたら、「少し歩きます」とのこと。総勢35名ほどで、赤坂八丁目の「アジア会館」から、南青山一丁目の伊藤忠青山アートスクェアにある「富徳」というレストランまで歩いて行った。
地理不案内な台湾の人を間に挟みながら、交差点を渡り伊藤忠のビルを目指して歩いて行く。信号を一度で渡り切れないこともある。なんとか一人もこぼさずに伊藤忠本社ビルの下までやってきた。「富徳」は有名な周富徳氏が始めた中華レストラン、ルーツは横浜中華街で周氏も横浜生まれ、両親の出身は広東省らしい。
中国・台湾の関係はかなり緊張感が高まっているが、来年1月の台湾総統選には海峡の向こうからのサイバー攻撃が十分予想される。そんな中広東料理でもてなすのがいいのか悪いのか、ちょっと危惧したが台湾人はみんな喜んで入ってゆく。
かなり広い店で、奥の大きな部屋に4つの丸テーブルが置いてあった。ここで台湾人・日本人が入り乱れてランチとなる。何人かの台湾人が席に注文を付けている。自分の隣に部下を座らせろと言っているようだ。食事が始まってしばらくたって、その理由が分かった。
企業幹部と思われる人は、日本語が話せない。そこで通訳代わりの若い人を連れて来日したようだ。会合のオフィシャルな席では言えないことも、ランチの場で同じテーブルの日本企業に話すことができる。そのために部下を隣に座らせたのだろう。僕にも50歳くらいの某社幹部が声をかけてきて、英語で応答すると隣の30歳くらいの女性が日本語で返事をしてきた。
4種類の前菜で始まったランチコース、メインは酢豚・エビチリ・イカの炒め物ブロッコリー添えの3品だった。和風(?)にご飯のお櫃が出てきて、全部自分で好きな量を取り分けて食べた。このご飯(Steamed Rice)がなかなかいける。3つの味のメイン料理を引き立て役にするくらい美味しかった。どうもみな同じ感覚だったようで、たちまちお櫃はカラになった。
特に台湾の人のコメントは聞かなかったけれど、美味しいランチでした。周富徳の名前は聞いていたけれど、味わったのは初めて・・・。今度は横浜中華街のお店でも探してみましょうか。さあ、午後のミーテングに戻りましょう。