Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

エアラインへの逆風

 欧州中心に、環境問題に対する意識は高い。今回ノーベル賞の候補にもなった「怒れる少女」グレタ・トゥンベリーさんの国連でのある意味の「暴言」も、環境問題の深刻さを物語っているともいえる。

 

 しばらく前から「鉄道を利用しましょう」というキャンペーンが、欧州で行われているのは知っていた。僕は元々鉄道好き、欧州なら「トーマスクックの時刻表」をみればいいのね~などとノー天気に聞いていた。EU域内は、僕らの感覚よりずっと狭い。二度の世界大戦はこんなに狭い領域で戦われたのかと、驚くくらいだ。だから鉄道移動でも、そんなに不都合はないかもしれない。

 

 しかし英国政府関連機関の委託により、環境関連で研究された報告書が出した内容には正直驚いた。CO2排出量ゼロに向け航空各社のマイレージプログラムを廃止し、さらに移動距離に応じた「マイル課税」をすべきだとしている。

 

https://www.businessinsider.jp/post-200607

 

 ちょ、ちょっと待ってよ。マイレージって当家にとっては資産だと思っていたのに、逆に負債になっちゃうわけ、それってひどくない?

 

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 当家がマイレージでお酒をもらって喜んでいることなどは別にして、航空会社グループが競合会社との「健全な」競争として顧客優遇を図るのが問題とは思えない。日本から欧州へと旅行する人たちが、鉄道で行けるはずはないだろう。シベリア鉄道経由(これはこれで趣はあろうが)なら片道1週間近くかかってしまう。

 

 まあ日本からの観光客など眼中にないのだろうが、米国からなら、中国や他のアジアからならどうか。これらの国発の旅行者に「罰金」をかけておいて、どうやって観光振興するのだろう。欧州の歴史・遺跡などは膨大な資源で、僕らも大好きだ。

 

 当面、航空会社が逆風の対象になっているように見えるが、産業は連関している。航空業界を絞ればホテル業界におよび、レストランやマーケットなどの流通業界にもおよぶ。その結果、地域の税収にも影響があるだろう。それでもこんなことを言っている僕はやっぱり、「経済のおとぎ話ばかりしている」とグレタちゃんに怒られる対象に過ぎないのでしょうかね。