Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

もう一極集中ではいられない(後編)

 前編で述べたように「敵国」が核などの大量破壊兵器で東京を狙ってくるのであれば、まずやるべきことは皇族に京都へ御移りいただくことだろう。東京が壊滅した後の復興に、日本国民の精神の支えである皇族にはどうしてもいていただかなくてはならない。

 次に政府機関や重要インフラなどは、本格的な「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」の策定と、実践が求められる。そんなのやってるよとの回答が聞こえてきそうだが、東京エリア壊滅のようなリスクを織り込んだ計画が考えられ、訓練もされているとしたら僕が何か言う筋合いではない。しかし、そこまでの大きなリスクを考慮したものは、かつて日本では聞いたことが無い。

 

        f:id:nicky-akira:20191009071250j:plain


 「日本では」と注記したのは、実は米国政府の関係機関からは、米ソ核戦争になったときのBCPのことを聞いているからだ。米国の政府機関や重要機関は、次のような計画を持っていて、毎年違うリスクシナリオで訓練を行い、良かった点・改善すべき点を洗い出してFeed Backしている。

・最低50マイル離れた秘密のところに、当該機関の最低行わなくてはいけない機能が果たせる設備を置く。
・非常時に此処に向かう要員は決まっていて、危機が迫ると家族にその旨を告げてバックアップ拠点に赴く。
・時にはその要員(一般にエリート)であることすら秘密であり、最低1ヵ月はそこで執務できるように準備する。

 当然全ての重要機関がこのような準備をし訓練するわけだから、訓練後にベストプラクティスの共有も計れるという。実際に核戦争危機でこのプランが発動されたかどうかは教えてもらえなかったが、昨今毎年のように襲来する大型ハリケーン対策として発動されたことはあると言う。日本の機関のBCPは主に大規模震災や洪水などに対処したものと思う。これに加えて東京の場合は、核戦争の一撃を喰らった場合の対処も考えなくてはいけないと思う。

 最近気づいたのだが、ワシントンDCもそんなに大きな都市ではない。ドイツのフランクフルトも100万未満の都市だ。1,000万人を超えるような大都市は、核戦争を考えたらその規模自身で非常に弱いと「冷戦時代の知恵」は教えてくれているのかもしれません。