Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

飛行艇ネットワークの可能性

 昨年は小笠原返還50年ということで、急にこの島々の話題が多くなった。自然遺産でもあるし、魅力的な旅先とは思うのだが、なにしろ交通の便が悪い。1便/週で、船便だけ。丸一日の船旅が必要というのでは、旅行客の大半は尻込みするだろう。僕ら夫婦は、「青い日系航空会社の直行便1日2往復あるフランクフルトは便利だよね」などと言っているくらいのズボラだから、次の旅先としてスコープには入らない。

 
 30あまりの島のうち、住民が住んでいるのは父島、母島の2島だけ。総人口2,600人ほどという。行政区分上は東京都だが、都心に通うなんてまるきり不可能。急病人が出ると、自衛隊が出動するとこの記事にある。定期航空路は悲願ではあるが、空港建設によって景観がかわるなどの問題で、着工に至っていない。大規模な災害(かつての大島の土砂災害等)があったら、支援物資の搬入や住民避難はどうするのだろうか?

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 いくつか考えられる解決策のうち、僕がお勧めしたいのは「飛行艇航路」である。波が高いと発着できないというが、それは船舶でもおなじこと。飛び上がってしまえば、船とはスピードが違う。似たような話でヘリコプターを使う案もあるが、オスプレイクラスのものが必要になり民間では運用が難しい。
 
 対潜哨戒機PS-2の旅客版でも運用すれば、小笠原・東京間だけでなく他の離島や大きな湖への航空路ネットワークが広げられるだろう。例えば知床半島十和田湖など新しい観光開発も期待できるのではないか。
 
 第二次世界大戦時、最良の飛行艇を持っていたのは日本海軍だった。川西航空機二式大艇というのがそれ。その技術は新明和工業の対潜哨戒機や救難飛行艇に活かされている。飛行艇ネットワーク、誰か事業化してくれませんかね。