Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

緊急時の個人データ活用(後編)

 技術的には、多くのデータ発信主体がデータを標準化していないことや大量すぎるデータを扱える設備をどうするかなどの課題はあるが、これらの解決は上記ITS-Japanの例のようにやってやれないことはない。
 
 困るのはデータが精密になっていくほど、プライバシーに関する危惧が社会的に高まること。常時自分の車や自分自身に関係するデータが盗み見られる状況にあることを、危惧する人も多いのは理解できる。I-Phoneの位置情報を「送信しない」と選択していても、悪意のある誰かが盗み見ているのではないかとの疑問には、全くありえないと答えることは僕にも難しい。

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 逆に市民の位置情報を使って、もっときめ細かい緊急情報を流したいという行政側のニーズもある。氾濫が迫っているときに堤防間際にいる人にスマホでワーニングを出すことができれば、命を助けられる人も多くなる。このとき、「位置情報OFF」を選択した人は見捨ててもいいのか、と悩むことになる。

 今回の台風についての気象庁の情報発信を見ていて、レベル3から4に上がり、最大級の危険度レベル5を発動するプロセスは良く分かった。そこでレベル5になれば、「位置情報OFF」、「ドラレコ送信NG」を選択している個人や車両でも、行政機関等が自動的にデータ取得できるようなことは考えられないだろうか。具体的には、

<レベル3> 
  国・自治体・公益性の高い機関の個人や車両のデータは関係機関で共有できる。
<レベル4> 
  特別の契約を結んだ個人、私企業の上記データは共有できる。
<レベル5> 
  その地域にある全ての上記データは共有できる。

 と定めて、被害の予防、局所化、迅速な対応などに活かせないかということ。津波が迫っているときワーニングをもらって、「なんでオレの位置情報勝手に使うんだ!憲法違反だぞ」と怒鳴るつもりは、僕はありませんよ。