決して高くはないハウスワイン(白)だが、冷えていれば海の幸主体の前菜によく合う。カラフェの残りが少なくなってきたところで、本命の「ガッティナーラ」を注文する。さてそれに合わせるメインだが、次の2つを選んでみた。
そのうちに空いていた最後のテーブルにも、3人の紳士がやってきた。僕の座ったところからは、店の入り口がよく見える。2~3組の予約のないお客さんがやってきて、一言二言交わした後残念そうに帰ってゆく。そういえば僕らも昔こうやって断られたな、と思い出す。
もうひとつは、「ポークカツレツ」。富士の裾野で育てられた豚のロース肉だとのコメントが付いている。トマトのみじん切りがソース代わりに掛かっていて、その上にルッコラの葉が乗っている。表面はカリッと揚がり、やや薄めのポーク肉はしっとりしている。そういえばウィーンの名物「ウィーナー・シュニッツエル」は、もともとはミラノ風カツレツをラデッキー将軍が持ち帰ったものである。このカツレツも、ミラノ風なのだろう。
さて肝心の「ガッティナーラ」だが、少し冷えて出てきた。色は濃い目のルビーで、抑え目ながら華やかな香り、あまり辛くはない。トリノの大衆食堂で飲んだ地元のワインに、確かに似ている。あちらの方が少し香りが強かったかなと思って呑んでいると、徐々に温まってきたグラスから香りが漂ってきた。
現地の地ワイン、銘柄を見せてもらったのだが記憶に残っていない。まあ近いものが日本で飲めるなら、満足すべきでしょうね。ごちそうさま・・・。