Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

自制心崩壊の危機

 ロンドン滞在となったこの日、結局やったことといえばレセプション・パーティばかりだった。伝統ある会議で日本から政治家や有識者がやってきたというので、英国政府も駐英日本大使館もいろいろ便宜を図ってくれたのだ。とはいえ英国政界はジョンソン首相が「合意なき離脱も辞さず、10月末に必ず離脱」と叫び、議会を閉会に追い込もうとしている最中。議会も反撃して「離脱を3ヵ月延期して欧州側に合意を求める努力をする法案」を可決成立させた。怒った首相は「議会解散、総選挙」を企んだのだが、議会に阻まれてしまった。

 

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 ある意味英国政界の「Their Finest Hour」なのだが、とても外来人の相手などしていられる状況ではない。事務局が企画した政権中枢部などへの挨拶行はできなかった。しかし場所を変えながら、関係者があつまる会合は続けられた。まずお昼、バスでホテルを出てウェストミンスター寺院などを通過して古い町並みで下車。シャーロック・ホームズでも出てきそうないかめしいホールから階段を登り、重厚な部屋に案内された。

 

 いわゆる「Gentlemen's Club」のようなところだ。ここでワイングラスを片手に、会話が始まる。末席の僕にも、何人か紹介してくれる人はあって会話に加わった。もっぱら聞いているだけだが・・・。その後別室に移って着座のランチ。丸テーブルの適当な席を選んで座ったところ、両側には背(も座高も)高いイギリス人がやってきて見上げながら話す羽目に。冷や汗をかきながら食べたので、味の記憶は無い。

 

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 疲労困憊してホテルに戻った。夕方、もう一度バスで出発。今度は通常は入れない政府機関の建物へ。門の中央に頑丈な車止めがあるのだが、このバスにだけは車止めをどけているのでそれが分かる。また荘重な部屋に案内されて、大勢のイギリス人に出迎えられた。写真は訪問団の代表である国会議員の先生が挨拶しているところ。この時も、すでにワイングラスが配られている。

 昼間は2杯飲んだだけ、このレセプションでは1杯に自制するつもりだ。理由は、このあと駐英大使公邸に移っての晩餐会があるから。フライトで疲れてもいるし、本番の会議前にロンドンで倒れるわけには行かない。それでも手にあるのはさわやかな香りの白ワイン。うーん、自制心が崩壊しそうだ。ここは我慢、我慢。