Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

リハーサル?いや本番のつもりです

 20日からラグビーワールドカップ2019日本大会が始まる。北は札幌から南は熊本まで、全国12の会場でゲームが行われる。わが静岡県でも袋井市エコパスタジアムで、今月28日の日本対アイルランド戦を最初にゲームが始まる。そんなわけで1年以上前から熱海駅前にも、「4年に一度じゃない、一生に一度だ」との宣伝文句が並んでいる。

 

 別にラグビー好きというわけではない僕でも、日本でそういう大会が行われることはいいと思っている。ただ来年には東京オリンピックパラリンピックもあることを忘れてはいけない。5月に経団連が開催した「サイバーセキュリティ経営TOPセミナー」でも、テーマはオリンピック・パラリンピックでのサイバーセキュリティ対策だった。本番まであと10カ月ほどになった東京大会への準備は進んでいるはずだが、それが試されるのが今回のワールドカップである。

 

       f:id:nicky-akira:20190720155518j:plain

 

 東京エリアのある大手インフラ事業者さんに聞いたのだが、ワールドカップ期間は臨戦態勢だという。数年かけて準備してきたサイバー攻撃への備え、ウィルス等の侵入を検知した時の対処、やむを得ない場合の縮退運用、行政を含む関連機関との連携、利用者の影響が出る場合の周知、最終的な報告とりまとめなど、ワールドカップはいいリハーサルになるだろう。

 

 もちろんワールドカップをインフラ事業者が軽視しているわけではない。ただ実際にやってみないとわからないことはたくさんある。ワールドカップに全力で備えるのだが、そこで得られた経験はオリンピック・パラリンピックに生かされるということだ。

 

 一方オリンピック・パラリンピックの開催に無関係な地方のインフラ事業者等にとっては、ワールドカップこそが究極の本番である。こちらも大規模イベント時のサイバー攻撃への対処は初めてだから、未経験のまま本番に突入することになる。スタジアムへの交通が止められる、その地域の電力が供給されなくなる、放送関係のシステムが止まるなどに対し、それぞれの事業者が対策を練っていてくれるはずだ。

 

 僕が一番危惧しているのは大会運営システム自体への攻撃。例えば計測機器を狂わせるとか、記録を書き換えるとか、ゲームそのものを狙うこともありうる。相手チームのメディカルデータを盗んでゲームを有利にしたり、ドーピング検査結果を差し替えるなどというのはありそうなことだ。まあ、そんなことも考えながら普段は見ないラグビーでも観戦しましょうかね。