Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

対戦車兵器

 機関銃を黙らせてくれる戦友(カメラード)だった、戦車をはじめとするAFVであったが、歩兵は今度はAFVに追い立てられる羽目に陥った。第二次大戦初頭、歩兵が携行できる対戦車兵器といえばATR(Anti Tank Rifle)くらいしかなかった。日本軍には、それもほとんどなかった。

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 左の列に各国のATRをならべてみた。上から、イタリア・フランス・ソ連アメリカ・イギリス・ドイツである。ゲーム上は同じ表記になっている。携行負荷(重さのこと)は1PPで、軽機関銃程度。火力は最低の1、射程は12ヘクスである。どういうものかというと、12.7mmや20mm機関砲弾を単発で撃てるライフル。兵士1人で操作できた。後年、長距離狙撃用のバレット・ライフルが出てくるが、似たようなものである。
 
 ターゲットというわけではないが、当時日本陸軍主力戦車だった95式軽戦車を置いてみた。装甲は正面ですら1、紙のようだと言われている。95式にとっては、ATRも無視できない兵器だ。
 
 戦車が進化して装甲が厚くなり、ATRの力不足を感じた各国はその対策に迫られた。歩兵の肉弾突撃を選んだのは日本とソ連。爆薬や航空爆弾、火炎瓶も多用された。アメリカ軍は、成形炸薬弾(モンロー効果で発生させたプラズマを1点に集めて装甲を焼き切る砲弾)を撃てる、携行用兵器を開発した。いわゆる「バズーカ」である。
 
 これは歩兵などに対しても効果があり、火力8を持っている。射程は4ヘクス。携行負荷は1PPとATRと変わらないが、故障ナンバーがX10と高い。サイコロ2個振って10以上だと故障するわけ。米軍は改良を続け、1944年版はX11と改善、1945年版では射程が5と伸び、黄燐弾が使えるようになった。
 
 イギリス軍も、成形炸薬弾を発射する兵器を開発した。ピアートというのがそれ。火力はバズーカ並みだが、射程が短い。これはバネ仕掛けで飛ばすからで、使い勝手は良くなかったらしい。
 
 ドイツ軍は、パンツアー・ファウストという単発ロケット砲を開発していた。このゲームにはそのコマがなく紹介できなかった。ポピュラーな兵器なので、ソ連の火炎瓶のようにコマとしては存在していない。これは威力は十分だったが射程が短かかった。(たぶん2くらい)
 
 アメリカ軍と戦って得た捕獲兵器の中にバズーカを見つけたドイツ軍は、その優秀さを認めコピー兵器を作ることにした。それが、パンツアー・シュレッケである。単にコピーしたのではなく、防盾をつけるなどドイツ流の改造をしている。火力も強化されて12となり、貴重な支援兵器となった。
 
 登場が遅く配備も限られていたのが惜しまれる。単純なコピーにしていたら、もっと早くたくさん配備できたかもしれない。それが、凝り性のドイツ人ということだろう。