Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

装輪装甲車の再登場

 陸上自衛隊の新型AFV(Armored Fighting Viecle)「16式機動戦闘車」のシルエットを見ていて、何か懐かしいものを感じた。この手の装輪戦闘車もしくは装輪戦車というのは、昨今のトレンドなのだと言う。主力戦車である10式と比較してみると、

 
◇全備重量 16式 26t 
         10式 44t
◇兵装    16式 105mm砲、12.7mm機銃、7.62mm機銃
               10式 120mm砲、12.7mm機銃、7.62mm機銃
◇乗員    16式 4名
        10式 3名
◇最高速力 16式 100km/h以上
         10式 70km/h
 
 16式は機動戦闘車の名前の通り、軽くて空輸も容易、高速移動が可能で素早く配置に付ける。敵に重戦車があれば対抗は難しいが、ゲリラやテロリストはそんなものは出してこない。必要なら対戦車ミサイルを搭載することもできるだろうし、重戦車狩りは攻撃ヘリに任せてもいい。
 
 思い出したのはナチスドイツが第二次世界大戦後期に主として東部戦線に投入した、「Sd Kfz 234」という装輪装甲車のこと。Ⅱ号戦車などより高い機動力のある偵察車両として開発された。もちろん現物を見たことはなく、シミュレーションゲームの世界で体験しただけだ。

    f:id:nicky-akira:20190425062341j:plain

 全備重量12tほど、80km/hである程度整地されたところなら機動できる。20mm機関砲や50mm砲をマウントして主に偵察任務に就いた。中には75mm対戦車砲(Pak40)を搭載したものもあった。ゲームしてみての実感は、丘を登ろうとすると急に遅くなる(無限軌道に勝てない)し、森のような地形には入れない。最初の1発は撃てても、防御力が低いので戦車を相手取ることは難しい。ソ連の主力T-34戦車もそこそこのスピードがあるし、BT-7という高速戦車の系譜もある。
 
 生産も他のAFVが優先されて数を揃えられなかったこともあり、大きな戦果を挙げることはできなかった悲運のAFVです。これが3/4世紀経って復権してきているのは興味深いことです。