Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

自動機を初めて使う時

 人手不足がいろいろなところで経済に効いてきて、人権費の高騰や外食チェーンの値上げなどのニュースが飛び交っている。僕の住むマンションでも先日「組合員総会」があり、管理会社の費用が人件費高騰で上がることになったとの報告があった。

 
 原因はともあれ人件費、特に非熟練労働者の人件費高騰は自動機導入に拍車をかける。マシンの値段は大量に生産できるならどんどん下がるし、ICTその他の技術進歩でマシンは相当複雑なこともできるようになっている。
 
 時給1,000円が1,500円に上がったとすると、200時間労働として経営サイドは月額10万円の支出増になる。(実際は福利厚生などあってもっと負担増になる) 1人に代わるマシンのお値段が300万円だったとしても、10か月で回収できてしまう。だからいろいろな業界で自動機導入は進んでいる。
 
 ただ自動機を導入する時には、現場での混乱は避けられない。銀行窓口の負荷軽減のためにおなじみのATMを導入する時の銀行サイドの苦労は僕も目にした。JRの「みどりの窓口」も自動機導入には、不慣れな人を誘導する要員を大量に配置するなど経営努力が必要だった。
 
 僕ら夫婦の通うスーパーマーケットでも、いつからかセルフレジが導入されている。高齢者の多い街だが、有人レジには長蛇の列でもセルフレジは空いているから僕らにはありがたい存在。やはり高齢者にとっては自動機は使うのが難しいのだろうなと思っていた。

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 ある記事によると、自動機に戸惑う高齢者の話が載っていた。自動機を使ってみようと思ってもよくわからない、係員に教えてもらってなんとかやろうとするのだが列の後ろから舌打ちが聞こえて萎縮してしまい、次からは長い列でも仕方ないから唯一の有人レジに並ぶとある。昨今はやりの「無人店舗」などが増えてきたら、この人たちは買い物もできなくなってしまうかもしれない。
 
 多少高くても有人レジで買えるスーパーがあってもいいのではないかという意見ももっともで、コストコやアマゾンで買い物する人が増えてきたら、スーパーもいくつかの選択肢(徹底的に安いか、徹底的にケアするか等)を模索することになるだろう。