Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

狙撃に最適な屋上

 「U.S. Chamber of Commerce」での会議は、日本人だけの朝食会合ののち本番に入った。まず1時間、日米の産業界同士の意見交換。テーマは、国内で議論しているのとほとんど変わらない。

 

 ・「Free Flows of DATA with TRUST」の実現に向けて産業界はどうするか。

 ・5GやIoTのような新技術をどう活かしていくか。

 ・サイバーセキュリティ強化についての日米協力

 ・プライバシー保護とデータ活用のバランス

 ・人工知能システムの倫理はどうあるべきか。

 

 これまで米国は、プライバシー保護に関しては欧州のように厳しい規制を定めていない。欧州のGDPRはプライバシー侵害がおきないよう予防的措置をとっていて、情報が漏洩した段階で報告を義務化しているし罰則を定めている。一方米国は情報漏洩等によってプライバシー侵害が起きれば、その事に対して制裁的な罰則をかけるスタンスだ。

 

 ところがカリフォルニア州で今回施行された州法では、GDPRに近い法規制が定められている。シリコンヴァレーに代表される西海岸の企業は、米国企業というよりはコスモポリタンで、Googleなどは創業時から「世界政府ができたとき、その必要なもの(システム等の意味)はGoogleが提供する」と言ってきた。ある意味、米国政府は世界政府の一部に過ぎないのだ。

 

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 このカリフォルニア州の動きが他の州に広がっていくのかなど、いろいろな意見交換をした。その後米国の政府関係者も交えてもう1時間、英語なので疲れる会議が続いた。ここでの予定が終了した後、屋上で記念写真を撮ろうという話になった。暑いし面倒だなと思ったのだが、ホワイトハウスやモールが見渡せるという。上がってみると、確かに絶景である。

 

 ニューヨーク(マンハッタン島)と違い、DCには高層ビルはない。この屋上も6階だてのルーフトップなのだが、見晴らしは素晴らしい。左下に見えるホワイトハウスまで、手前のラファイエット広場越しに約200m。M-16などでは心配だが、レミントン700など持ち出さなくても普通のライフルで十分「ツィッター男」を狙うことができよう。ま、僕は眺めだけで満足して帰りますけどね。