Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

F-35を墜とすには(後編)

 F-35は米軍/米国の軍事技術の結晶であり象徴のようなものだから些細な傷でも気になるし、相手方にしてみれば気になることをやってみようということなのだろう。だからシリア上空の事件は、アサド政権なりそのバックにいるロシアなりの流したミスデレクションの公算が高い。とはいえまだ十分に飛行実績を積んでいない段階でもあり、いろいろな運用条件下での完熟飛行をF-35はする必要がある。
 
 今年の青森沖墜落事件以前にも、実は海兵隊向けのF-35Bが1機墜落していた。この時パイロットは緊急脱出して無事だったのだが、米軍はしばらく同型機を全面飛行禁止にした。その後、燃料パイプに問題があったが、その問題が解決したので飛行を再開すると発表している。僕はひょっとすると問題は燃料パイプではなく、F-35のソフトウェア面の欠陥(脆弱性)が見つかったのではないかと思った。
 

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 ハイテク戦闘機であるF-35はコンピュータの固まりのようなものだ。物理的にではなく電子的にバックドアがある部品が紛れ込んでいて、これを介して「ハック」されたかもしれないのだ。もしこのような脆弱性があるとすると、日本を含む上記の国の航空戦力は開戦早々半減・・・なんてこともあり得る。
 
 ある軍事専門家と話していて、恐れ多くもそんなことを言ってみた。かの方はしばらく黙っていてニヤリと笑い「面白い話ができそうだね」とだけ言って否定も肯定もしなかった。デジタル屋さんもそんな安全保障の世界に、ちょっとだけ足を踏み入れることになるかもしれませんね。