ワシントンDC中心部からダレス空港方面へ延びる地下鉄のシルバーラインの途中に"Tysons" という一角がある。地下鉄の駅が3つ、ショッピングセンター、自動車のディラー、家電量販店、ホテル、コンドミニアムなどが開業し、さらにいくつも建設中である。
場所としてはワシントンDC(特別区)ではなく、バージニア州である。特別区の中は地価も高く、ロビイストやシンクタンクのような高い付加価値を生む業種しかオフィスを展開できない。そこで特別区への通勤者の住居も含めて周辺部への拡散が続いているのだが、そのせいで道路の渋滞がひどい。ラッシュアワーを避けて朝早く自宅を出、早めに帰る人も多い。
聞くところによると、朝4時に自宅を出て15時には帰路に着く人もいるという。滞在中、17時ころ郊外へ向かおうとしたら、ひどい渋滞に捕まってしまったこともある。そんなわけで、公共交通機関が最近通った"Tysons" 地区はオフィスを開くにも人気のエリアのようだ。まだダレス空港までの地下鉄延伸工事は続いているものの、タクシー(最近はUberともいう)で30分ばかりの距離である。今回はここにオフィスを構えるある会社を訪ねた。
市内の定宿に泊まっている僕は地下鉄で現地に向かい、ダレス空港を着いたばかりの仲間は空港からタクシーで直行した。13時間近いフライトの直後というのは気の毒だったが、先方の都合がこの時間帯が良かったから仕方がない。何度も地下鉄で通ったところだが、降りるのは初めてである。少し早めに着いたので、駅の周りを歩いてみた。道路が曲がりくねっているのは、元々の地形のせいかもしれない。僕の直観では湿地帯だったと思う。
そんなエリアに道路を通し、中程度の高さの建物を並べ始めている。まだ地盤工事をしているところもあり、赤茶けた土のついた工事車両も行きかっていた。時間待ちの間何か飲みたいと思ったが、スタバもない。そのうち飲食店も進出してきて立派な街になるのだろうが、現時点では先行したオフィスの人しか見当たらない。
シルバーラインは着々と空港まで届こうとしています。このエリアもますます繁栄するのでしょうね。