Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

不正入学というビッグビジネス

 以前からうわさはよく聞くのだが、米国の有名大学には相応のお金を積めば入学できるということ。日本の一流大学は入るのは難しくでるのは簡単、米国の場合は逆と言われるが、それも程度問題。有名大学はやはり狭き門だし、一流の人材が集まるのでその中で学ぶメリットは大きい。子供を持つ親としては、できることなら有名大学に入れてやりたいと思う。

 

https://www.afpbb.com/articles/-/3223523

 

 この記事が取り上げたケースでは、スタンフォード大学への不正入学を請け負った代金は7億円以上だったという。支払ったのは中国人富裕層で、残念ながら娘はすでに退学処分になっている。このケースはまだ事件化されていないが、関係した事件で訴追されたのは50人以上で、かなり組織的な根深い事件と思われる。

 

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 ワシントンDC在住のアジア人ジャーナリストに聞いたところ、中国共産党幹部の子女の多くが米国に留学している。例えば、習近平国家主席の一人娘習明沢は、浙江大学卒業後ハーバード大に留学、2014年に帰国している。在学中は偽名で通し、ごくわずかの人しか本名・素性をしらなかったという。

 

 もちろん入学し卒業する実力はあったのだろうが、当然疑惑を持つ人はいる。主席に続けと子女を米国有名大学に送った共産党幹部や民間の富裕層はいっぱいいて、その中には今回の報道のように「裏金」を積んだケースがなかったとは思えない。今はハリウッド女優とか、国内の実業家などが摘発されているわけだが、中国人にも司直の手が伸びる可能性はある。冒頭の中国人富裕層は「寄付金だと聞いていた」と不正入学の意識はなかったと主張しているようだが、言い訳にしか聞こえない。

 

 不正かどうかは別にして、今激しくなっている米中摩擦のことを考えると共産党幹部などの子女が米国に留学するのはわるいことではない。両国の対立は一朝一夕に解決されるものではなく、次世代に持ち越されるもしくはそのころ再燃する公算が高い。その時、お互いの顔が見えているか否かは、大きな違いだ。

 

 でもトランプ先生にお願いしたい。留学中の共産党幹部子女を「人質」にするのだけはやめてくださいね。