Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

首都圏第三空港の候補地

 10年以上前だが交通政策の勉強会に出席していた時、首都圏空港のキャパシティをどうやって上げるかという議論をしたことがある。まだ羽田空港の国際化が進んでおらず、成田の拡張も見通しが立たなかったころだ。40年間の成田闘争の名残があり、羽田の活用については与党内でも反発があった。

 
 扇千景(当時の)国交大臣が、意図してかどうかはわからないが「羽田空港、近くて便利でしょ。政府専用機は羽田着発だよね」とカメラの前で言って、ひと騒動あった。当時教えてもらった問題というのは、成田拡張を阻む「私有地問題」の他にも一杯あった。
 
◆成田、羽田共に夜間の離着陸に制限があり、24時間空港になれない。
◆東京23区上空を飛行できないので、羽田空港へのアプローチが限られる。
◆米軍横田基地および上空の横田空域が邪魔になって、利用できる空が少ない。
◆成田、羽田が離れすぎていて一体運用できない。
 
 今思うと、これらの課題は少しずつ解決の方向に向かっている。私有地は残っているものの成田の拡張は出来ているし、羽田の深夜便も増えている。羽田へのアプローチでは、今まで飛んだことのない江東区付近も飛ぶので23区問題も解消したのかもしれない。その結果、飛行機からの落下物問題が浮上しているが。だが最大のポイント横田空域は、まだ米軍が握ったまま。石原(当時)都知事が前向きな動きをしたこともある「横田返還」も現知事は興味なさそうだ。
 
 横田が帰ってきたら首都圏第三空港にして、JR南武線を二階建て複々線にして羽田と結ぶなどという議論も面白かった。しかし横田は3,000m級滑走路こそ1本あるが、拡張の余地はあまりなく第三空港と呼ぶのは難しかろうという結論になった。
 

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 その後東海道新幹線が地下を走っている静岡空港を首都圏第三空港にという話もあった。地下に新駅を設ければ、空港利用客は首都圏まで1時間強でアクセスできることになる。しかしJR東海はほぼ一定間隔で駅を置くことで運行(追い越し等)を合理化していて、掛川駅に近すぎる静岡空港地下に新駅を置くことは難しい。
 
 
 そうしたらオリンピック期間中の臨時措置だが、横田空港を民間利用できるように考えているという記事があった。これが臨時でなくなる日がくればいいのですが。