Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

外国人材の活用(後編)

 厚生労働省の意図は、「外国人就労拡大、特に地方を置き去りにすることなく地方就労を促進する。そのためにできるだけの地方自治体への支援を行う」というものである。こう書くと綺麗に聞こえるが、「人手不足対策は日本人では限界があるから外国人を(移民ではなく)就労させ、地方にも均等にバラ撒く。そのための予算が付けば厚労省の権益拡大につながる」と言い換えることもできる。

 
 調査機関が企業ヒアリングをした結果、「以前はIT人材として外国人を雇用していたが、現在はいない」という企業が相当数、特に地方にあることが分かった。いかに優れた技術を持っていても、周りは全部日本人、日本語でしかコミュニケーションできないとなれば居づらいのは明白だ。宗教・文化などにも気を配ってくれる公算は低い。
 
 これは日本人だけの組織でも同じことで、プロパーばかりの組織に一人だけ経験者採用の人がいるとやはり居づらい。そこのマネージャが考えて、経験者採用組がある程度多くうまく機能している組織へと送り出すこともある。非プロパーが自然と集まってくるわけだ。

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 だから、「少なくとも高度ICT人材については地方にバラ撒くのは愚策で、首都圏で集中的に受け入れその結果外国人との競争に敗れた日本人がUターン、Jターンすることで地方に人材をもたらすべき」と主張した。他の人達は、
 
 ・地方の住みやすさや生活費のこと、いい環境などをアピールすべし
 ・地方にも外国人を積極的に受け入れる中小企業の社長はいる
 ・政府は地方自治体に対し、外国人の生活環境改善のための支援をすべし
 
 などとおっしゃる。まあ御用学者も辛いよね、と思った。僕の言うことなど聞いてもらえないのは最初から覚悟のことだから、言うだけ言って帰ってきた。そうしたら、「日本人の1/3は日本語が読めない」との記事があってびっくりした。
 
 
 PCを使って仕事ができる人は1/10だともある。決して「高度ICT人材」などではなく、通常のオフィスワーカーのことです。所得格差がひどくなったとメディアは書きたてているが、企業側は「採用したいが採用できる人がこない」とミスマッチを主張している。しかしPCどころか日本語が読めないのでは、いたしかたありません。こうなれば厚生労働省ではなく、文部科学省の問題ですね。