このところの建設機械の進歩は素晴らしいもので、すでに自動運転を完成していて直径5mのタイヤを装備している巨大トラックが、鉱山の現場ですれ違ったりしている。有人のものでもオペレーターを助けるデジタル設備が充実していて、今掬った土砂の量はかなり正確に計測されて、あと何杯掬えばいいかオペレーターにも現場監督にも分かるようになっている。
こうなってくると従来型のキャタピラ2個、アーム1本の旧来型パワーショベルより効率的なものはないのかという疑問も出てくる。もっと変わった形のものができるのではないかと思っていた。写真はキャタピラー社の友人にもらった同社のコンセプトカー(?)のイラスト。実際に試作機もあるという。
スターウォーズに登場するドロイド「R2D2」や「C3P0」ではないが、「2A4C」というのは、アームが2本、キャタピラ4個の意味なのだろう。片方のアームで支えながらもう一方のアームで対象物を動かすこともできそうだ。4個のキャタピラも個別に動くだろうから、その場での180度方向転換や障害物を避ける小回りも効くように見える。これはもう、ほとんどモビルスーツである。
もちろん自動運転機能、運転補助機能はあるのだろうが、それでも1本アームより操作が難しく熟練が要するのは間違いあるまい。あと気になるのはトップヘビーであること。重心が高く、コケやすそうだ。さらに2本のアームも相応の自重がありその振りまわし方によってはさらに不安定になるだろう。意欲的な試作機ではあるが、僕はまずは2本アームを普通の車体に乗っけた方がいいと思う。
そういえば陸上自衛隊の対空自走砲を「陸自のガンタンク」と言っている人もいた。モビルスーツの時代、もうそこらあたりに来ていますかね。