Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

僕も使っている宿泊予約サイトで

 Webのニュースを見ていたら、「楽天トラベルなど3社に公取委立ち入り、独禁法違反容疑」という見出しを見つけた。「トラベル」という文字を見落としていたので、いよいよ当局がインターネット上の「プラットフォーマー」と呼ばれる事業者を取り締まり始めたのかと思い、多分血圧が20〜30は跳ね上がっただろう。いわゆる「GAFA憎し」という人たちは欧州だけではなく日本にもいて、某大臣のパーティでは最後に「GAFAやっつけろ!」と気勢を上げているとそこに参加したGAFAの人から聞いた。

 政治家や官僚の中には「プラットフォーマー規正法案」を出そうかという話もあるが、僕はGAFAが不当なことをしたならば従来の法体系で処分できると思っている。データを抱え込むことで差別化を図るのは企業活動として当然だが、不法な集め方をしたりデータを不当なやり方で使うこと、集めたことの優位性で他者に不当要求等すれば罰せられる程度の法整備は日本もできていると思うからだ。そのうちで一番公算の高いのが最後の「優位性を持って不当要求」なのだが、これは独占禁止法で取り締まることが出来よう。

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 当局としては、最初に法執行するときは1社ではなく複数社を候補として挙げるだろうし、米国からの批判を避けるために日本企業を容疑者に混ぜるだろうと思っていた。だから「楽天」はその役割でいずれ容疑不十分で「釈放」され、立件されるのはGAFAのうちのどれか・・・というシナリオが頭にあった。だから見出しを読み違えて、いよいよその挙に出たかと思ってしまったわけ。

https://www.asahi.com/articles/ASM496J4FM49UTIL077.html 

 中身を読んで勘違いだったので半分ほっとし、半分は「?」と思ってしまった。この3社には僕の愛用サイト「Booking.com」も入っていて、契約先の宿泊施設に「自分のサイト以外にもっと安いサービスを提供しない」よう強制したというのだ。この手の話は一杯あって、例えば家電量販店に行けば「他店より1円でも高い商品があったら教えて下さい」と正々堂々アナウンスしている。誰が考えても、その卸元に対して「なんでウチより安く売れるんだ、お前が安く卸してるんだろう」と迫るに決まっている。
 
 調べてみたら2007年にヤマダ電機が卸元に「ヘルパー(卸元持ちの販売員)を出せ」と迫って公取委の検査を受けたことがあるようだ。ただ価格設定については記録を見つけられなかったし、上記アナウンスが続いていることから見て事件にはなっていないと思う。数ある量販店はほっておき、旅行サイトを狙い撃ち・・・何か意図があるのでしょうかね。