かなり何度も海外へ出かけるようになって、以前よりは機内の楽しみ方もわかってきた。なにより経験というものは重要だ。最初はビジネスクラスのメニューなど、目で見てはいても頭で認識できたかどうか怪しい。遅れないように着くだろうかとか、ホテルの場所までどうやって行けば間違えないかとか、翌日からの会議はどうしたらいいかなどと心配がよぎるからだ。
それでも帰路はそんなことはなく、機内メニューをじっくり見たりお酒を選んだりできるようになるのは早かった。どうしてもリラックス度が違うので、「自由に飲み食い」というのは帰路の方が多い。それが間違いだったことを今回のフライトでは改めて認識した。3月の成田・ワシントンDC(ダレス)間のフライト、往復で食事はもちろん飲み物メニューも違うのだ。もちろん、青い日系航空会社の仕入れに自由度の高い日本発の便である往路の方が充実している。だから楽しむべきは、往路なのだと気づいた。
例えば食前酒、往路限定のビール「グランクリュ・ブラッスリーカステラン」が用意されている。アルコール度数8%以上という濃いめのビール、フランス産である。普通にビールの味わいなのだが、缶ビールを置いていくのではなくシャンパンのようにCAさんが注ぎにきてくれることからもありがたみを感じる。
続いてフランス料理の名店「La Grenouillere」のメニューが出てくる。よく経験したように、アミューズの次の「最初の皿」の方が、メイン料理よりも美味しく感じる。まあ二皿目になると酔っぱらっていておぼえていないのかもしれないが。
