軍事史への招待
第一次世界大戦に登場した兵器の代表格「戦車」、前線への輸送時にカバーをかけて姿を見られないようにし、「水などを入れるタンクだ」と言ったというのがその名前のルーツである。特に第二次世界大戦の前あたりから、陸戦に革命をもたらした。優れた軍人は…
再度の緊急事態宣言が出てしまって、宣言対象地域外(ギリギリだけどね)の熱海でも、めっきり人出は減ったようだ。昨年4月のような閑散とした雰囲気になるのか、なったらなったで、ならなかったらそれもまた心配ではある。 そんな騒然とした雰囲気の中、寂…
Squad Leaderの自作キャンペーンシナリオを6日間にわたってご紹介したのだが、蛇足として主人公であるMaxwell軍曹への僕(Player)のインタビューをお届けしたい。 僕:軍曹、いやJohnと呼んでいいのかな?もう傷はいいの? 軍曹:ほぼ治りましたけど、まだ…
ファレーズ東の街を抜けなかったF中隊には、敵拠点を迂回して街の中心部に浸透する指令が与えられた。新たに歴戦のパラシュート分隊2個とM-4戦車3両、Priestが増援としてやってきた。Hill中尉はパラ分隊の指揮官にMaxwell軍曹を指名し、先鋒を務めるよう…
F中隊は撤退する独軍を追跡して、ファレーズ東の街に至った。ここを抜ければファレーズ包囲網は完成すると司令部は言う。司令部はM-4戦車2両も増派してくれて、Hill中尉は微笑みながら攻撃を命じた。 一方ここまで逃げてきた10-3指揮官だが、実はここに砲…
F中隊はポテニーの町まで進撃し、そこで戦力の充実を図っていた。新任のHill中尉は徐々に中隊を掌握し、部下の信任を集め始めていた。1ヵ月ほどたって、満を持して進撃指令が下った。次の目標はファレーズ。独軍が残余の部隊をかき集めて防衛拠点としてい…
しばらくは、戦場は平穏だった。米軍も戦線が伸び切って補給待ちだったし、独軍も撤退の準備に追われていた。その平穏もやがて破られる時が来る。銃火の音がすると、古参兵などは「ほっとする」と新兵に漏らしたりもした。カーンの街に残ったいくつかの拠点…
米軍の後続部隊が続々、カーンの南に集まってきた。独軍の補給は十分でなく戦いの帰趨は見えてきた。問題は、どのくらい早く米軍が突破を果たすか、である。市街地の東端にふと空白ができた。司令部からの指令は「その街区を占領せよ、そこから監視すれば独…
カーンの端の街区にとりついたF中隊の先鋒は負傷者などを後送し、隣の戦区からの応援要請に応えてM-4戦車とMedrow伍長の分隊を載せたハーフトラックを急派した。一方、本隊や指揮官とはぐれたパラシュート分隊3個が迷い込んできて、臨時にGreenwood中尉の…
負傷兵を後送したり弾薬などの補充を受けたF中隊は、しばしの休息のあと例の村を迂回してカーンの市街地へ向かった。中隊の半分を例の村から独軍が押し出してくることに備えて残したので、手持ちの兵は8個分隊しかいない。ただ、重砲として105mm砲装備のM-…
F中隊は補給のためにしばし進撃を停止、丘の合間にある小さな村の攻略目指して偵察を続けていた。斥候から戻った兵士の報告や航空偵察結果を総合すると、独軍は村に相当の戦力を保持しているらしい。少なくともⅢ号突撃砲が1両、迫撃砲や対戦車砲もあるよう…
ほぼ戦力互角の闘いを制し、F中隊は勢いに乗って隣町まで進撃した。戦車戦を生き残ったPriestに加え、2両のM-4戦車と1両のM-16重機関砲車が追い付いてくれた。M-16はハーフトラックの車体に機関砲を満載したもので、4個分隊に匹敵する火力(24)を持つ。…
以前「Squad Leader My DYO Way」で紹介した、アバロンヒル社の「Squad Leader」の自作シナリオキャンペーンを、この休日は試してみようと思う。設定した舞台は1944年6月のフランス戦線、主人公はJohn Maxwellという青年。彼は短い訓練の後、D-Day直後の北…
移動力がほぼ同じ(13~16ヘクス/ターン程度)車両で編成されたドイツの機甲師団は、戦車・ハーフトラックと乗車歩兵・自走砲等が連携して進撃する。これは事実上、地上では無敵である。さらに、空からは「Ju-87シュツーカ」らの支援も得られた。ただ連合国…
先週ノルウェー沖の海底で、ドイツ海軍の軽巡洋艦「カールスルーエ」が発見されたことを紹介したが、今度は極東である。日清戦争当時の沈船、戦艦「定遠」の装甲板が引き上げられたという記事があった。 https://www.afpbb.com/articles/-/3306245 「定遠」…
以前、故ポール・アレン氏のチームが太平洋戦争で沈んだ大物艦を探して、「赤城」「加賀」「比叡」「霧島」「ホーネット」「レキシントン」などを発見したというニュースを見て記事を書いたことがある。今回はアレン氏のチームように意図的にではないにせよ…
伝説のウォーゲーム・デザイナー、ジェイムズ・ダニガンはその著書「戦争のテクノロジー」の中で、砲兵は戦場の神だと述べている。第二次世界大戦の陸上戦における死傷者の大半が、砲撃によるものだったとのデータを示してこれを主張した。 歩兵のライフルで…
◆第一ターン Wilson軍曹と3個分隊は村の外縁を廻るように目標に近づいて行った。その後ろをハーフトラックが進む。8-0指揮官のチームは村の2階建て石造建物の上階に機関銃2丁を据えようとしている。M-10とPreistは621高地を迂回して反対側から目標に迫り…
戦力の選択が終わったら、ようやくセットアップである。セットアップは防御側が最初に、次の攻撃側が行う。まず防御側の独軍が、勝利条件たる「拠点」を決める。今回は、山岳地(#2)の一番奥にある木造建物(C4)を独軍が選択した。木造建物は+2の防御効果…
これまで「Squad Leader」を使って、ソリテア用自作シナリオを作るやり方をご紹介してきた。ここからは、その実例をプレイしてみたい。まずは状況設定だが、次のように決めた。 ◆キャンペーンの戦域と主人公 1944年のイタリア戦線、独米戦で、米軍の目標はナ…
シナリオの舞台となるボードの配置に続いて、両軍の勝利条件と両軍の戦力ポイント、さらにターン数が定まったら、いよいよ両軍が戦力コマを選ぶことになる。その順番だが、まず攻撃側が基本ポイント(BP)分の戦力を選ぶ。その内容を見て、防御側が全戦力を…
舞台と両軍の勝利条件が決まったら、次は双方の戦力の選定である。オリジナルのDYOシナリオには、登場する戦車などの車両や指揮官、分隊、支援火器からトーチカや塹壕まで、あらゆるもののポイント値が示されている。例えば、 ◆独軍 4号戦車 160 3号突撃…
一つのキャンペーンで最初に決めることは、独ソ戦なのか独米戦なのかとその主人公。例えば今回は独米戦にして主人公をNeal Wilson伍長(7-0)とした。彼のキャンペーンの舞台は1944年のイタリア戦線、ナポリを目指す米軍の一員としてWilson伍長が登場する。 …
「Squad Leader」は、1977年発売のアバロンヒル社のボードゲームである。おおむね100個のシミュレーション・ウォーゲームを買いあさった僕だが、いまでも持っていてプレイできるものは残り少ない。そのうちのひとつがこれで、第二次世界大戦の欧州戦線でドイ…
前部魚雷室の後ろは指揮所、潜水艦映画ではメインの舞台をなるところだ。操舵席もあるし、潜望鏡もある。ここも意外と狭い。その後ろは士官室。唯一個室が与えられる艦長室にしても、カプセルホテル2室分くらいだろう。副長(XO)ほか5名の士官は大部屋…
真珠湾でアリゾナ記念館入り口から右手に行くと、1隻の潜水艦が係留されている。これがボーフィン博物館、潜水艦に関する展示館と実物の潜水艦内部を見学できる。2つがセットになって、$15/人。これもガイドブックの表示よりは値上がりしていた。 ボーフ…
やはり米国(基本BRP270)の参戦は大きい。3~4個軍/ターンしか欧州戦線に送れないという制約はあるものの、それによってイギリス軍がイタリア相手に攻勢に出ることができる。その軍事物資支援は、ムルマンスク経由かカスピ海経由かは別としてソ連に届き…
1943年春、前のターンで戦力の30%を失ったドイツ軍だが、乾坤一擲レニングラードに襲い掛かった。ここは要塞なので防御側は4倍に戦力が膨れ上がる。川越しの3倍とは意味が違って、例え空挺部隊を投入しても4倍は変わらない。立て籠っているのは2個歩兵…
1942年秋~冬、地中海戦域で反転攻勢に出たイギリス軍は北アフリカで枢軸側を追い詰めていく。本当はギリシアやイタリア本土の攻略をしたいのだが、数は減ったとはいえイタリア海軍がいるし、ヴィシー海軍もうるさい存在だ。いずれも連合軍側の航空基地から…
1942年春、地中海ではイタリア軍が攻勢を準備していた。ユーゴスラビアやギリシアのパルチザン対策にはヴィシー軍が力を貸してくれ、イタリア陸軍の主力はレバノンとリビアに展開できた。対する英国は、最初から駐留している部隊がエジプトに、1個機甲がチ…