Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ソフトウェアは終了できるが・・・

今月、Microsoftが「インターネット・エクスプローラ(IE)」のサポートを終了した。Windows95と共に登場し、一般利用者がインターネットを自由に使えるようにした、歴史的なソフトウェアである。IEの登場以降、普通の人は「オペレーテイング・システム(OS…

「Emotet」再々流行のなぜ

昨年はランサムウェアが暴れ回り、米国最大の石油パイプラインを止めたり、ブラジル食肉大手の業務を妨害した。日本でも徳島の半田病院の電子カルテシステムが止められ、長期間診療が制限された。今年になってからも、トヨタ自動車の大手取引先の受発注シス…

ハイテク兵器のサプライ不足

こういうのを「消耗戦」と言うのだろう、ウクライナ東部戦線では激戦が続き、ウクライナ側は毎日100名が戦死(1コ中隊が全滅に相当)しているという。ロシア側の死者(KIA)も少なくとも同等の数には上るだろうし、士気が低い分だけ行方不明者(MIA)も少な…

本当なら嬉しい話だが・・・

先週産経新聞の「独自記事」として、日本政府にセキュリティ・クリアランス制度の導入の動きがあるとの報道があった。確かに他のソースには同様の記事はないので、スクープであることは間違いがない。 <独自>機密情報取り扱い資格を制度化へ 経済安保、改…

名古屋めし三昧(後編)

宴たけなわとなって、部会の活動について聞くことができた。商工会の(部会)ミッションとして、いろいろな国にツアーを組んでおられるよう。「いや手続きんとこは○○君(商工会事務局の人)がやってくれるでよ。俺ぁあそこ行きてぇ、ここ行きてぇな~という…

名古屋めし三昧(前編)

名古屋商工会議所でのイベントに参加するにあたり、せっかく名古屋に行くのだからと、宿泊もして3食「名古屋めし」を食べようと思った。大雨のせいもあって少し早く熱海駅を出たので、お昼には名古屋駅に着いていた。伏見駅の近くにある商工会議所に行くに…

商工会議所の役割(3/終)

続いて外資系保険会社の人が登壇、この人は僕より25cmは背が高く、声も大きい。最初から上衣を脱いでの熱演である。冒頭、 ・被害を受けて米国の企業は体制を整え、攻撃を早めに検知できる ・日本を含めたアジアの国の企業は、5~6倍検知や発覚が遅く危険…

商工会議所の役割(2)

会場は商工会議所ビルの会議室、3部屋をぶち抜き70ほどのテーブルが並んでいた。参加予定者は50名ほど、1テーブルに1人の利用で距離を取れるようになっている。商工会の人によれば、関心が高いテーマでいつもよりずっと参加者が多いとのこと。参考までに…

商工会議所の役割(1)

「サイバー攻撃、怖いですよ~」「サイバーセキュリティは経営者の責任ですよ~」と方々でお話ししているのだが、そういう場の大半は今ではビデオ会議。リアル会議が復活しつつあるのだが、それでも東京23区内での機会がほとんどだ。僕の活動など大したこと…

参議院議員選挙を前にして

いよいよ明日、参議院議員選挙が公示される。通常国会は予定通り先週終わり、政府提案の法案すべてが成立、予算案には野党である国民民主党が賛成に回るという「無風国会」だった。内閣は安全運転を続け、大きな波乱も起きなかった。多くの人(や政党)が反…

継戦能力向上のための防衛費増

緊張高まる国際環境を意識し、日米同盟強化の目的もあり、岸田首相はバイデン大統領に対し「防衛費の相当な増額」を約束した。これ自身には極端な(一部野党やメディアからの)糾弾は起きていない。ただ岸田政権の特徴であるあいまい戦略でその具体的な中身…

帝国ホテルの早朝会議

この10年程、デジタル関係の話題が国際会議で取り上げられることが増えてきた。一時期「COVID-19」騒ぎでリモート会議ばかりだったが、少しずつ外国からのスピーカーがやってくるようにもなった。それなりのスピーカーを呼ぶと、できるだけ引っ張り回したい…

ボリュームランチ「海蔵」

今月も熱海に来客があった。ひとつには「COVID-19」禍が(新規感染者はいまだに多いけれど)治まりを見せているからだ。もうひとつの理由は、僕が長年勤めていた会社を(名実ともに)辞め、しがらみが無くなったこと。これまでも業界団体や政府の会合などで…

南熱海マリンホール

この日は朝まで大雨が降った。午前中ビデオ会議を一つ済ませ、11時過ぎに家を出た。普段なら熱海駅方面に行くか、熱海銀座方面に降りていくのだが、今日はそのどちらでもない。坂を登って図書館と税務署を過ぎて、向かう先は来宮駅。 以前この駅から徒歩数分…

地方議会の意味を問う

熱海で暮らすようになってから、20年以上が過ぎた。現役時代には気にも留めなかったことだが、最近市議会の活動には少し興味が出てきた。時々「市議会便り」というチラシのようなものが、新聞受けに入っている。内容は市議会全体の議論、市長提案の条例案な…

専用システムと汎用システムの狭間

「生体認証」という技術は、僕が社会人になった1980年代にはすでに研究が進んでいた。一番簡単(ポピュラー?)なものは指紋認証、犯罪捜査など適用例が確立されているもので、従来の写真による判定を入り口(指紋スキャナ)からデジタル化すれば良かった。…

債権回収産業の業容拡大

先週、インフラメンテナンスという労多くして功少なく見える仕事をどう維持発展させるかという議論をご紹介した。目指すべきは「インフラメンテナンスを適正に利益の出る産業化する」である。 債権回収という業務も、決して好かれることではない。返せないか…

出井さんの遺志を継いで

先週、寂しいニュースが入ってきた。元ソニーCEOで、ベンチャー育成機関<クォンタムリープ>を率いておられた、出井伸之氏が亡くなられたのだ。20世紀の終わりごろモノづくり会社の先進企業ソニーを、インターネットの会社にすると宣言した人だ。小泉政権に…

「500円の壁」の時代

今月も値上げラッシュ、最近家内とは別に食糧調達に行く機会が増えた。チーズやワインといった特別なモノだけでなく、やきそばやベーコン、各種野菜も買うようになった。こんなもの作りたいなと思って買うものだから、家内に「高い」と叱られてしまう。「安…

禁酒日のディナー「かつや」

青山一丁目駅のそばで目立つのは、「吉野家」と「CoCo壱番屋」。「COVID-19」騒ぎでこのオフィスに顔を出すことも少なくなったのだが、ちょうど今日は別の用事もあってやってきた。少し遅くなったので、今日は帰宅途中でディナーを食べ、禁酒日としよう。こ…

イーロン・マスクの危機感

日本でも値上げラッシュがひどいと感じるのだが、米国のインフレはそんな生易しいものではないようだ。世界有数の石油生産国であるにもかかわらず、エネルギーコストの上昇がひどい。人件費も、部品も、その他の消費財も、天井知らずの上げ幅だという。秋に…

「デジ臨」の規制改革案

昨日まで「インフラメンテナンス業務の産業化」の議論をご紹介した。老朽化が進む日本の社会インフラをどう支えるか、やはり決め手はデジタル化(活用)だと思う。岸田政権の重要機関のひとつ「デジタル臨時行政調査会:デジ臨」が、先ごろアナログ規制撤廃…

インフラメンテナンス産業論(3/終)

菅内閣で成長戦略会議のメンバーを務めた小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長は、中小企業を合併等で大きくしないと生産性が上がらないといい、大きくならなければ消えてもらうと発言して炎上している。しかし僕は、その主張は正しいと思っている…

インフラメンテナンス産業論(2)

国交省では、これまで述べてきた日本のインフラの老朽化対策を考え続けていて、指針となる文書をまとめようとしている。今回集まった委員たちは、それを監修する立場にある。霞ヶ関のこの種の会合は、ともすれば「予算獲得のための官僚の作文を追認する御用…

インフラメンテナンス産業論(1)

2週間ほど前、三重県鈴鹿市役所などを訪問してインフラメンテナンスの現場を見せてもらった体験を紹介した。霞ヶ関のビル内での議論はずいぶん聞いていたのだが、やっぱり現場を見ると実態が分かってくる。それなりの規模があり財政的にも比較的余裕のある…

驚異の和食、和田倉(後編)

美味しいものを食べながらだけれど、話の内容は徐々に深刻になってきた。デジタル革命が米国はじめいろいろなところで起きているのだが、日本社会・日本企業がついていけていないのではないかという危惧が3人にある。今は外資系かどうかは関係なく経済の担…

驚異の和食、和田倉(前編)

古い友人が「紹介したい人がいる」ということで、夕食を共にすることになった。お二人とも、帰りの列車の関係で東京駅周辺がいいとおっしゃる。僕もそれには賛成なので、パレスホテルの6階にある「和田倉」という店を予約してもらった。確かランチミーティ…

東ウクライナでの消耗戦

ロシア・ウクライナ紛争は、作戦級としてはヤマ場を迎えていると思われる。種々の報道があり、個々にはどれほど信用できるか不明なものもある。僕はもっぱら、インテリジェンス大国である英国の情報を参考にするのだが、それすらも意図的な歪みがあり得る。…

また「お願い」ですか、当面は

ウクライナ紛争が長期化するにつけ、世界経済に与える影響が大きくなってきている。欧州諸国はエネルギーをロシアに多く依存し、これからの転換を迫られているが、足並みは揃っていない。ロシア寄りとも言われるハンガリーが、抵抗しているのがその象徴。G7…

Aircraft Carrier 2.0

ウクライナ戦争(と言ってもいいですよね、プーチン先生)は、後年の軍事史では「ドローンの戦争」と称されるようになるかもしれない。それほど無人機、ドローンの活躍は著しいのだ。偵察型、攻撃型、自爆型など多数のドローンが遠隔操作もしくは自動操縦で…