Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

六本木の牛

 Tボーンステーキという食べ物に最初に出会ったのは、ドイツに仕事で短い滞在をしていたころだったと思う。スイス国境、ボーデン湖沿いの街コンスタンツ旧市街に「魔女のキッチン」という店があり、店の中央部が少し低くなっていて「魔女の大釜」を表しているのだと、ドイツ人が教えてくれた。

 
 その店の売りが、T型の骨ごとその両側に付いたヒレ肉とサーロイン肉を焼き上げるTボーンステーキだった。若かったので、400gくらいは食べられたのだろう、決して安くは無かった(多分ステーキだけで40マルクくらい、円換算で約3,000円)が、時々食べに行っていた。
 
 その後夫婦で出かけたフィレンツェ、Tボーンステーキ発祥の地と言われる街で、500gのものを2人でシェアして食べた。凄いボリュームだったが、これで最小サイズ。それ以来、そこまでのボリュームを目にする機会は無かったが、今回六本木のウォルフガング・ステーキハウスに誘っていただくことになった。

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 前菜は抑えめにと思っていたのだが、魚介盛り合わせ、サラダにベーコンまで出てきてしまった。このベーコンがすさまじい。厚さも歯ごたえもジューシーさも十分で、ほとんどメインディッシュといってもいいくらいだった。で、その後に出てきたのがこれ。4人前が大皿に盛ってあるが、ある程度の固まり(100gくらいか)に切り分けてある。ひとかたまりでも、十分ディナーになりそうな量だ。
 
 ベーコンで満足していてはいけなかったと後悔したが、あとの祭り。赤ワインでヒレとサーロイン1切れずつ食べるのが精いっぱいだった。とても残念・・・でも美味しかったです。

抑止力としてのアトリビュート

 先週奄美大島沖の接続海域を、国籍不明の潜水艦が潜航したまま通過した。第二次世界大戦当時と違い、現代の潜水艦は「潜航も可能なフネ」ではない。長く潜航したまま移動が可能になっている。かといって潜航したまま他国の玄関先を通るというのは、好ましい行為ではない。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020062300645&g=pol

 

 2004年11月に先島諸島近海の日本の領海で、哨戒中のP-3Cが国籍不明の潜水艦が潜航したまま航行しているのを発見した。防衛庁(当時)長官は海上警備行動を発令し、当該潜水艦を浮上させ旗を掲揚させるか、領海外に退去させるかせよと指示した。他国の領海を通る場合、船舶は国旗等を掲揚して自ら「怪しくないよ」と示す義務がある。

 

 この時は潜水艦が領海外に退去、のちに中国政府が自国の潜水艦だったことを認めて遺憾の意を表明して決着した。この後日本政府は、潜航したままの潜水艦が領海に近づいている場合は関係機関で情報を共有して、領海に入ることがあればただちに上記のような行動に移ることを確認している。

 

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 今回の「接続水域」というのは領海に近づいているという意味だから、関係機関はこれを注視していた。結局領海侵入はなく、西方の海に抜けていった。今回の防衛大臣の発表は、ある意味積極的なもの。「中国潜と推定している」として状況を公表したのだ。潜水艦は航行するとき、固有のノイズ(音紋)を発生させる。この音紋のデータベースがあれば、潜水艦を特定できる可能性がある。

 

 軍事専門家は今回の潜水艦の航行を、日本の軍事力を探る目的で行ったものだと言っている。大臣の発表は、この挑戦を受けて立ったということだろう。この事態を見ていて、サイバー攻撃も同じだなと思った。つまり正体を隠して接近してくるハッカーに対し「お前の正体はわかっているぞ」と言ってやることだ。業界では攻撃者を特定する技術・手法のことを「アトリビュート」という。

 

https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2020/06/23/070000

 

 今回防衛大臣は「日本には潜水艦のアトリビュート能力がある」と誇示したわけで、これにならってサイバー攻撃に対して企業等がそれを示すことは、攻撃に対する有効な「抑止力」になると学びましたね。

箱根の「木の細工」

 延期されたとはいえ東京オリンピックパラリンピックに向けてであろうが、方々でリニューアル工事が進んでいる。たまに出掛ける青山一丁目のメトロの駅も、いつも使う出入口が封鎖中で迂回を余儀なくされてしまった。それでも工事が終われば、きっと綺麗で便利になっていることを期待している。

 

 新幹線の小田原駅待合室付近も、トイレのリニューアルが終り「綺麗で便利」になっている。入り口のところには、箱根の寄せ木細工のディスプレイがあった。そうそう、この駅は箱根の入り口。以前紹介したように、箱根湯本の駅は小田急で指呼の距離だ。

 

 新幹線の駅がある熱海と違い、観光地箱根(強羅)は小田原から箱根登山鉄道に乗り替えて1時間弱かかる。せっかく昨年の19号台風の被害は復旧したが観光客は戻っていないで運休中だ。近いせいで箱根のショールーム的なものは小田原に多い。上記の寄せ木細工のディスプレイもそのひとつ。

 

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 本格的なショールームは、小田原駅前の地下街「ハルネ」にある。以前も紹介したのだが、この地下街には、ひものの「山安」やワインが豊富な「KALDI」があって、よく立ち寄る所だ。この日は「木ってすごいね」というイベントをやっていた。常設なのかどうかは知らないが、木製の郵便ポストが目を引いた。

 

 「木のはがきは下記で販売しています」とある。すると、はがきも木製だしこのポストも郵便ポストとして使えるということだろう。展示会場には「からくり箱」も置いてある。もっと驚いたのは、象を形どったオブジェ。

 

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 なにか芸をするわけではないが、上部を青、下部を赤に塗って青地のところどころに白い星を付けてやったら、トランプ先生(共和党)へのプレゼントになるかもしれない。

 

 確かに木というのは自然素材だし、どうせ間伐などで材料は出てくるわけだから環境問題に前向きな人(トランプ先生の言う悲観論者)には好意を持って迎えられよう。僕も手触りなど決して嫌いではないが、本来道具は「使えればいい」という主義なので身の回りには木製のものは多くない。

 

 まあこういうものを見て、住まいのそばに箱根という「木の街」があることも何かのご縁。そういえば昨年の豪雨で不通になっていた箱根登山鉄道は、今月中に全線開通するそうです。木の何かを探しに行ってみるのもいいですね。Go to Travel キャンペーンで・・・。

「Sangre de Toro」のおまけ

 スペインのワインも結構好きで、昨年1月にマドリードバルセロナに旅行したときに、地酒のようなワインを呑んでとても美味しかったのを覚えている。スペインもいろいろな地方に分かれていて地方ごとに自慢のワインはあるようだが、日本で比較的手に入りやすいのが「トーレス」のワイン。

 

 バルセロナ近郊のペネデスを拠点として、140年間家族経営で伝統・名門の味を守っているとカタログにある。僕らはほぼ15年ほどこのワイナリのものを呑んでいて、昨今の「Stay Home Week」で拍車がかかるように呑み始めた。理由は、赤青の航空会社マイレージで貰える中によく入ってくるから。代表的な銘柄「Sangre de Toro」はペネデス付近のブドウ品種(ガルナッチャ、カリニャン)を使用して、手ごろな価格と飲みやすさを実現したという。

 

 「トーレス」のシンボルになっているのが「駆ける牛」、古代ローマの酒の神バッカスが牛に化身して走る姿を現している。この牛、ラベルに印刷してあるだけではなくボトルの口のところにミニチュアとして付いている。ずっと黒い牛ばかりだったのだが、このところ白ワインには白い牛もミニチュアが付いてくるようになった。

 

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 それらを、食卓の上に「放牧」してみたのがこの写真。もっとボトルは呑んだはずなのだが、今手元で生き残っているオマケは10頭あまりである。これをみていたら、またスペインに行きたくなってしまった。

 

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 スペインも「COVID-19」の被害が大きかった国、最近米国やブラジル、ロシアの被害が大きいのでニュースで伝えられなくなっている。調べてみると6月から海水浴は解禁になるくらい緩和の方向らしい。残念ながら僕らの一番行きたいバルセロナは、被害が大きくビーチ開きもできていないそうだ。

 

 スペインのGDPの12%は観光産業であって、これなくしては国が成り立たない。さらに、日産がスペイン工場を閉鎖するという話もある。外国人の「2週間待機」命令も解除されたとのことなので、来年か再来年また行けたらいいなと思っている。その頃には航空路線もかなり改廃されているだろうけど、できれば日本からの直行便が飛んでいてくれることを・・・。ドン・キホーテさんも待っていてください。

海水浴客が押し寄せる?

 緊急事態宣言が終了して1ヵ月がたち、街の風情が徐々に戻ってきた。その結果なのだろう東京都での新規感染者発生数が、40~50人/日と比較的高い数値を記録している。このところの全国の新規感染者の約半分は、東京都でということになる。「夜の街」の従業員に検査を徹底したせいもあるだろうが、首都圏はやはり危険だという認識を多くの人がもっているだろう。

 

 神奈川県もそこそこの感染者を出していて、そのせいか神奈川県の海水浴場のほとんどは、この夏は営業しないという。僕自身は小学校低学年のころ、知多半島のビーチに何度か行った記憶があるだけ。もっぱら泳ぐのは学校にあるプールだった。どうしても海には「不潔」なイメージが残っている。

 

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 ここ熱海でも人出は戻ってきていて、それを後押しするかのように今月21日、サプライズ花火が打ちあがった。この日は渚小公園で「100万人のキャンドルナイト」として1,000個のハート型ろうそくが灯された。いずれも、

 

熱海市は、新型コロナウイルス収束と医療従事者をはじめ、この苦境に立ち向かわれている全ての市民の皆さまへの感謝を込めてお贈りいたします」

 

 というメッセージを載せてのものだったが、観光客誘致の手段であることは言うまでもない。江戸時代からの老舗旅館が倒産するなど、観光産業が苦境にあることは間違いない。そこで恒例の花火大会も、8月から時間を短縮してだが実施するという。そして「サンビーチ」、今月23日に海水浴場としてOpenするらしい。

 

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 いつもベランダから見るだけなのだが、色とりどりのビーチパラソルが咲き乱れていて、結構「密」だなと思っている。それが今年は神奈川県の海水浴場が全滅だとすると、その分の海水浴客もここにやってくるのではないだろうか?

 

 海水浴場だけでなく、駐車場や市内の道路、西湘バイパスなどはひどく込み合うだろう。子供連れで荷物を持って・・・というなら列車で来る海水浴客は多くない。クルマの渋滞が懸念される。もちろん街中のレストランなども、地元民は入れないくらい混むだろう。

 

 ちょっと憂鬱になりましたが、その間僕らは大人しくしていましょう。かつてはGWなどは都心の方が空いていると新宿のコンドミニアムに行ったりしましたが、今年の夏はそういう気力もありませんし。