Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

噂の松屋「創業ビーフカレー」

 しばらく前になるが、牛丼各社が280円から100円ほど値上げしなくてはならなくなったタイミングがある。ランチの定額が、300円から400円に上がったのである。この時、「松屋」は「牛めし」を「プレミアム牛めし」にして100円値上げした。ただし、地域格差を考えて、値上げしたのは首都圏など。地方では280円の「牛めし」メニューを残した。

 

 今回「松屋」は、カレーの値上げをもくろんだ。まず「牛めし」に次ぐ人気の「オリジナルカレー」の販売終了を宣言、続いて期間限定販売をしていた「創業カレー」をレギュラーにすると発表した。この発表タイミングに微妙なズレがあり、「カレーがなくなる~」というファンの悲鳴も上がった。

 

 結果は、実質的に値上げでメニューそのものは残ったわけだ。ファンとしてはほっとはしたものの、正直複雑な気分だろう。「牛めし」値上げと「カレー」値上げ、これらの発表戦略が進歩したかどうかは微妙である。ただ一時期、話題をさらう効果はあった。過去に一度しか「松屋」でカレーを食べていない僕が、「噂のカレー」を食べてみる気になったのだから。

 

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 コマーシャルトークによると、牛肉をとろとろになるまで煮込んだカレーソースが売り。この日朝食を摂らないで会議を一つこなし、11時過ぎにブランチをとりに街に出た。オフィスから一番近い「松屋」は、八重洲北口からちょっと東へ入ったところにある。

 

 お腹が空いていたので「創業カレーライス大盛り」(590円)の食券を買った。この店では、食券をかった段階で調理が始まり、出来上がると食券に印字されている番号で呼ばれ、お盆を受け取るシステムである。

 

 茶褐色のカレーソースには、黄色の油が浮いている。記事で見たオリーブオイルかもしれない。カレーの辛さは、「CoCo壱番屋」の基準で2カラくらい。繊維質の何かがスプーンに絡んでくる。これが「とろとろ煮込み牛肉」のようだ。ただこれほど辛いと、素の味を味わえるわけではない。形状だけなら、コーンビーフでも似たようなものだ。

 

 まずまずの味ではあるので、じきにぺろりと食べてしまった。相変わらずカレーに味噌汁という組み合わせには違和感が残るが・・・。噂の「創業カレーライス」、食べられたのは良かったのですが、好んでリピートするほどではありませんね。残念ながら。

懐かしい店「書泉グランデ」

 あまり機会はないのだが、神谷町方面に出かけることもある。そこで時間が許すなら、特に目的はないのだが「書泉グランデ」に行ってみる。僕の20歳代の最高の趣味が「シミュレーション・ウォーゲーム」である。歴史のIFを体験したくて、自分の指揮能力を試したくて、戦術級から戦略級まで100あまりのゲームを買ったように思う。

 

 時は流れてゲームはデジタル版が主流になり、時間と場所をとるアナログゲームは衰退の一途をたどった。デジタル分野で禄をはみながら、アナログゲームに入れ込んでいたのは矛盾だったかもしれないのだが、趣味だから仕方あるまい。

 

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 以降30年以上にわたって、僕のアナログゲームへの傾倒は続いている。しかし、プレイできるものとそうでないものの峻別は進み、いまでは保有ゲームは10種類ほどだ。それでも新しいゲームと言うと「血が騒ぐ」。雑誌「Command Magazine」を書店で見かけると、買いはしないが手に取ってみてしまう。

 

 「書泉グランデ」は、僕らのようないにしえのアナログゲーマーの聖地と言ってもいいだろう。昔のゲームの復刻版や、欧米の新作ゲームが並んでいる。若いときには片端から買ったかもしれない第二次世界大戦の作戦級ゲームも、新作で出ている。マニュアルの英語は昔よりは読めるようになったかもしれない。何しろ、欧米で危機管理の英語ディスカッションに引っ張り出されるようになったのだから。

 

 しかし肉体の衰えはどうしようもなく、コマに書かれている細かな文字が見えないのが情けない。それでもたまにはここに足を運び、年間に一度は何かを買いたいと思う。そんな「僕のいにしえの場所」、顧客も少なく大変だとは思いますが、ぜひ維持してほしいと思います。

リンガーハットの400円ランチ

 過密都市東京では、ランチの場所を探すのも一苦労だ。特に昨今東京で働く人の間でも、格差が目立つようになってきた印象がある。1,000円クラスのランチメニューは下町食堂でも珍しくない一方、外食チェーンは400円クラスのメニューを編み出すのに苦労している。

 

 なぜ400円かというと、たぶん「牛丼380円」というのがひとつの指標だからだろう。ごちそうだった牛丼が400円以下で食べられるなら、他のものも500円は高いような気がしてしまう。立ち食い蕎麦チェーンでも、標準的なメニューの「かき揚げ蕎麦」なら400円は超える。「日高屋」の「中華そば」は2度の消費税上げにも抵抗して、頑固に390円だ。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/09/07/060000

 

 そんな中で「リンガーハット」が、餃子を中心にした安いランチを出しているという話しは聞いていた。かつては「とくちゃんぽん」という500円メニューが、一部店舗だけかもしれないがあった。しかしオーガニック野菜にこだわりを見せるなど原価高騰の方を選んだ戦略で、それはできなくなっていた。

 

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 その餃子ランチというのは未経験だったが、今回所用で降りた新横浜駅でランチタイムを迎える機会があった。駅に隣接した外食チェーン街の一番端に、「リンガーハット」がある。店頭表示を見ると、370円~のランチがあるらしい。

 

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 店内でメニューを見ると、370円の餃子セットが一番安いようだ。ものは試しと頼んで出てきたのがこれ。ご飯の大盛り無料ですと言われたが、今回はPass。小ぶりの餃子が7つと、スープ・高菜漬け・ご飯がお盆に乗ってきた。

 

 このほかに、ご飯を炒飯に替えたものが480円だという。もちろんこれに消費税が付く。普通メニューであるちゃんぽんや皿うどんにも、3~6個の餃子添付のものがあるのは分かった。ただ餃子そのものは、あまり美味しくない。このランチはそんなに食べられない(僕のような)高齢者や女性がターゲットのようだ。

 

 しかし、肝心の餃子が旨くなくてはだめだろう。とりあえず試しては見ましたが、将来性は感じませんね。このお店では、これからもちゃんぽんを食べたいと思います。

官邸下の食事所

 この日は溜池山王駅に近い、政府関係機関に呼ばれた。問題はその前後に東京駅周辺で会合があること。地下鉄を使って東京・溜池山王駅間を迅速に往復する必要がある。どこで昼食を食べるか迷った末、政府機関を出て東京駅に戻る時に、15分ある隙間を使うことにした。

 
 このあたり、地下に入ればいろいろお店はあるのだが、地上にはあまり候補になるランチの店がない。支那麺「はしご」というラーメン屋と、「CoCo壱番屋」があるだけだ。東日本大震災から福島第一原発事故発生直後の首相官邸にいた人の話を聞いたことがあるが、ずっと官邸に詰めていて食事にいくところはこの2軒ばかりだったという。当分、ラーメンとカレーは見たくもなかったらしい。
 
 ラーメンはともかく、僕は「CoCo壱」のカレーは大好き。今日はここでランチにしたい。ただ問題は、時間が15分しかないこと。お腹は空いているし、十分食べる時間があるだろうか?これまでの経験だと、揚げ物をトッピングにすると調理時間がかかることが分かっている。かといって、野菜だけカレーでは午後の力が出ない。飛び込んで注文したのは、「ハンバーグカレー」。

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 カウンターの端に座って気をもんでいると、ラッキーなことに2~3分くらいで運んできてくれた。これが、「ハンバーグカレー、400g」である。今回は、「1カラ」にはしなかった。ご飯を増量してもらったので、ルーを少なめにからめて食べ始める。途中ハンバーグをスプーンで削り取るようにして、少しずつ食べた。肉汁たっぷりとはいかないが、かみしめるとうまみが出る。このうまみを殺さないように、「1カラ」にしなかったのだが、うまくいったかもしれない。
 
 店に入ってから会計まで、ぴったり15分で済ますことができた。もちろん美味しかったし、時間に追われながらもたっぷり食べられた。それにしてもこのあたりを「ホスピタリティの低いところ」と言った友人がいましたが、今回それを実感しました。

故人情報保護の制度

 古い話だが、1977年に発表された中編小説「事故のてんまつ」を巡って訴訟が起きている。1972年に自殺した文学者川端康成氏の死の前後の模様を、仮名の家政婦が語る形で綴られたものである。ある種の「川端康成論」のようなものだが、これに川端氏の遺族が名誉棄損の訴えをしたものがこれ。

 
 結局は示談になったようだが、いかにノーベル文学賞受賞の有名人とはいえ、このような形でプライバシー危機を迎えることになったのは気の毒だと思う。文学者の自殺は珍しくない。芥川龍之介川端康成の例はよく引かれるが、三島由紀夫事件も僕は自殺だと思う。文豪と呼ばれる人たちは何かにのめり込んだ結果、精神のバランスを失いやすいのだろうか?ちなみに寡聞にして、「稚気の文学」であるミステリー作家の自殺というのは聞いたことがない。
 
 それはともかく、「事故のてんまつ」が川端氏のプライバシーを暴いたものだったとして、個人情報保護法制からの対処はなかったのだろうか?この小説が公表された1977年には、日本の個人情報保護法は成立していない。それどころか、OECDが最初の個人情報保護のガイドラインを出したのも1980年代だから、世界中にそのような概念は確立していなかったのである。
 

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 では、このようなものが現在の日本で発表されたらどうなるか?実は、現行個人情報保護法にも全く抵触しないのである。それはこの法律が「現に生存している個人」に関する情報を保護するものだからである。僕はある時このことに気づき、故人情報は守っていくれないのかと驚いたことがある。死んで何世紀も経った織田信長徳川家康豊臣秀吉らならともかく、上記の川端氏のように死後5年くらいでは遺族の思いもあろうから納得しづらい。
 
 情報を悪用されて生命・身体・財産に損害を受けるケースを防ごうというのが、法の主旨であることは理解している。しかし死んでしまったら個人情報をバラ撒かれても仕方ないとは思いませんよ。