Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

自由市場のお刺身

 JR駅前の区画であり今回滞在のコンドミニアムからも数分でいける若松町で、MaxValue北海道の大きな店舗が9月に開業していた。熱海で当家の主要な食料供給原はMaxValue東海だから、同じICカードが使えるなど利便性が高い。さらに北海道特有の食材もあって、先日はラム肉の薄切りをしゃぶしゃぶにして堪能した。

 

 それでも函館に来たらやっぱりお刺身、スーパーチェーンでは追いつけない品質のものが食べたい。しかるべき料理店に行けばいいのだが、お値段も張るし人手不足で店員の対応もよろしくない。やっぱり広いコンドミニアムのリビング・ダイニングで、好きなお酒と落ち着いて食べたい。

 

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 函館市街を駆け回って買ってきた日本酒「ガスバリ」もあるし、今回うまさに目覚めた地元の焼酎「喜多里」のサツマイモ版もある。地元の白ワイン「年輪」も買っておいた。ならば行く先は一つしかない。新川町電停の近くにある「はこだて自由市場」である。

 

https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2019/08/16/070000

 

 旧ブログで一度紹介しているが、滞在中必ず一度は行く市場だ。電停で2駅分の距離だが、コンドミニアムからMaxValueの前を通って歩いて行っても10分くらいの距離だ。L字型のスペースにいろいろなお店が様々な商品を並べている。切り花、乾物、カニまるごとなどいろいろな商品があるのだが、僕らが足を向けるのはL字の曲角に近いお刺身の店。

 

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 腰の曲がった男性が、黙々と包丁を動かして刺身を切ってパックに並べている。今回はここで二度、マグロの刺身を買った。赤身・中トロなど9切れで500円(税込み)。さらにその向かいのお店はタコが売り物、太い足1本3,000円など立派なものが並んでいる。ここで買ったのは、半生の足の切り身のパック詰め、これも500円(税込み)。内地で買うような芯まで火が通って白くなったものではなく、中心部は半透明である。

 

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 さらに別のお店で、塩カズノコのパック詰め(750円)を買った。滞在中に食べきれるはずもない量だし、大ぶりのプリプリしたものだった。これだけ買えば十分ディナーになる。いそいそと帰ってきて、食事の支度にかかった。いずれも買い置きのお酒に合う食材で、本当にゆっくり楽しむことができました。十分満足です。

ガスバリ求め東奔西走

 函館にやってくると、この街限定の日本酒「ガスバリ」が飲みたい。この地方で幻となったお米「マツマエ」を原料とした純米酒である。2016年くらいにキャンペーンがあったようで、その次の年にここを訪れて飲んでから気に入っているのだ。

 

https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2019/08/14/150000

 

 函館には避暑、つまり8月に来ることが多いので市中のスーパーで購入し、コンドミニアムの冷蔵庫で冷やして飲んでいた。ところが今回は11月である。1本はCoopで手に入れたのだが、次の1本が見つからない。Webで検索すると函館市街の東西のお店で売っているのではとの情報があった。

 

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 まず市電の東の端の一つ手前、湯の川温泉電停の側にある「イチマス」さんへ行った。市街地の東の端と思ってもらっていい。温泉旅館街に近いので、法人需要も大きいだろう。・・・と思っていたから、ここならあるだろうと思ったのがNG。なかなか大きな酒屋さんだったのだが、品切れとのこと。

 

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 それではと同じ市電に乗って、西の方向へ。大町電停の側に「丸又和田商店」という店があると聞いていたからだ。昔ながらの建物を使い、輸入ワインや地元のワイン(奥尻のものを薦められた)を揃えている店だという。

 

 ところが行ってみると、本来は営業中の時間なのに「準備中」の表示。帰ろうと思ったが、家内がインターフォンのキーを押すと店の女性がドアを開けてくれた。広くはない店に入れてもらったところ、特徴的な輸入ワインが並んでいた。その中に残り2本の「ガスバリ」の4合瓶があった。

 

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 さっそく1本購入したが、その後少しこのお店の人と話し合った。ずっと函館暮らし、お子さんは北陸の方で暮らしている由。実はこの店のご主人が、「ガスバリのスペインへの輸出」をトライアルしている人だという。この純米酒は、なかなかのお味なのでスペインなど欧州の市場でも評価されると思いたい。

 

 聞くと例年4月に入荷し、補充はされないので売切れたら終わりということ。なるほど夏休みに来て美味しく呑めたのは、そういうタイミングだったということ。年度の後半では手に入らないことは分かりました。次にこの街に来るときは、そのあたりを考えないといけませんね。

ラム肉のしゃぶしゃぶ

 いつも避暑目的の函館滞在、だから日程はいつも8月である。今回は11月といういつもと違う時に来たので、何か違ったことがしたいと出発前から思っていた。コンドミニアムへは、卓上IHヒーターや鍋類を頼んでおいた。多分0度近くに冷え込むだろうから鍋物もできるだろうと思ってのことである。

 

 じゃあ鍋物って何だといえば、寄せ鍋くらいなと思っていた。カニ鍋はカラが面倒くさいし、おでん程度では論外、牛肉のすき焼などは内地でも食べられる。それが若松町のMaxValueに行ってみて、目標が定まった。何かというと「ラム肉のしゃぶしゃぶ」である。

 

 函館でも、札幌同様「シンギスカン鍋」の専門店が多い。羊肉を焼いて専用のタレを付けて食べるというものだが、羊は牛や豚より粗食に耐える荒れ地向きの家畜だ。そんな羊はモンゴル遊牧民の友であり、重要な資産でもある、何かのイベントの時その資産を潰して食べるという風習はあったと思う。それが現在の「ジンギスカン鍋」と似ているかどうかは、寡聞にして知らないが。

 

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 MaxValueに売っていたのは、ラム肉の薄切りの冷凍。1パック200gくらいの2人には適当な量だ。これに函館朝市で買った何種類かの野菜、キノコをいれれば立派な鍋料理になる。ラム肉のタレは素材の味をちゃんと味わえる濃すぎないものがいいと思い、土佐酢のビンを購入した。

 

 前菜代わりのお刺身の6点セット(エビ・サーモン・ソイ・マグロなど)を買って、意気揚々とコンドミニアムに戻ってきた。用意してもらったのは深めのお鍋、野菜やキノコを敷き詰めたうえで少し湯通ししておく。これに湯を加えて卓上で加熱、あたたまるうちにビールで乾杯ということだ。

 

 鍋が煮え始めたところで、ラム肉を4枚ずつ投入して広げる。薄いのですぐ火が通り土佐酢を付けて食べてみると、全く臭みも苦みもない。ほのかな甘みがあって、それが食べるほどに強くなる。買ってきた肉を鍋に入れ終わるころには、部屋の中すら甘い香り三満ちていた。

 

 いやこれは絶品だったね。古目のラム肉は濃厚なタレに付けて焼かないと匂いがきついのだろうが、新鮮なものはそうしない方がいいようだ。いいものを見つけたので、これからも食べてみたいと思います。ごちそうさまでした。

湯倉神社のご利益(後編)

 木槌の健康増進と開運効果、おさい銭はあれで十分だったかと迷いながら、次のパワースポットを振り向いた。湯倉神社のご祭神は大己貴命、俗にいう「大国主命」である。因幡の白兎伝説にちなんでか、ここにはウサギの石像がある。この石像は、「神兎」と書いて「なでうさぎ」と読む。

 

 罪を犯した白兎が傷を負い、大国主命の慈愛によって傷をいやし悪しき心も入れ替えたという伝説を基にしていて、この石像を撫でるとご利益があるという。具体的には、祈念することを心に刻みながら撫でれば、大国主命のご加護を受けられるようになるとのことだ。

 

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 やはりここにもごく小さなさい銭箱があり、小銭入れからいくばくかのコインを取り出して入れた。祈念することと言えば、家族の健康が第一。親父は90歳をとっくに超えていてやや足元はおぼつかなくなっているが、毎晩のお酒は欠かさないほどには元気だ。母親にも家内にも、大きな疾病はない。もちろん僕自身にも。

 

 白兎伝説によれば、傷が癒えるだけではなく「悪しき心」も改められるという。そこでちょっと迷った。僕の「悪しき心」など、大した悪ではない。時々「深酒したいな」くらいのものだから、これが改まってしまったらちょっと寂しい。しかし意を決して、兎の製造を撫でた。家族の健康を祈念しながら・・・。

 

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 最初は北海道の地にも「白兎伝説」があるのかとも思ったのだが、境内の説明文を見るとご祭神を大国主命に決めた段階で加えたコンテンツらしい。ただ、僕がそう思った原因は、当地で行われている「縄文時代の文化キャンペーン」。土偶に似たものが出土されたことから、この地で縄文文化が栄えてきたのではないかとの説がある。

 

 確かにいまは日本の中でも寒いところだが、緯度的には欧州文化の栄えたところとそんなに違いはない。海が近く、魚介の採集(Societu5.0にいう第一世代文明)も可能だった。縄文・土偶文化を売り物にしようとする当地の意思は否定しないものの、現在のポテンシャルを愛している僕としては、今の状況で十分だと思う。

 

 いいパワースポットと思いますが、上記のような不遜な考えでは「大国主命のご加護」はないのでしょうかね。また来ますから、ご加護のほどを宜しくお願いしますよ。

湯倉神社のご利益(前編)

 今回の滞在でも、函館市電はよく利用した。JR函館駅前から五稜郭の入り口を経て、東の函館空港方面に向かうと、普通の市街地が線路の両側に続いている。開発が遅かったのかもしれないが、JR駅前の松風町・若松町近辺の空き地だらけで再開発の緒に就いた風情とは異なる。

 

 競馬場前を過ぎて次の電停は、「駒場車庫前」。市電の操車場や乗務員の事務所があるところで、ここで乗務員が入れ替わる。もうここまでくると、終点「湯の川」電停が近い。終点は特に何もないところ。温泉の繁華街は一つ手前の電停付近だし、乗務員交代は既に済んでいて、停車時間の間に運転士が席を移動するくらいのものだ。淡々と折り返していく。

 

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 停留所のすぐ前にあるのが「湯倉神社」。伝説によると室町時代後期に小高い丘の沼で湯が沸いているのが発見されたといい、後にその丘に薬師堂が建立されたのがルーツ。この寒い土地でも、あるいは寒いからこそ温泉は湯治の効能が強く、戊辰戦争の折には臨時の野戦病院になって、負傷者の救護をしたと伝えられる。

 

 湯の川温泉のルーツとも言えるその小高い丘の上に、鳥居や本堂などいくつかの施設があって、「るるぶ」によるとパワースポットだとのこと。この神社のパワーは、湯治の効能ゆえか健康増進である。2つのポイントがあって、ひとつが大黒様・恵比須様の木像がある堂に置いてある3つの木槌。これで気になっているところをなでると、ケガや病気が緩和されたり、疾病を予防できるとある。

 

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 このところ左腰に違和感を覚える時があるので、早速左側にある木槌をとって左腰をなでてみた。もちろん即効性のあるはずもないが、何となく軽くなった気分になれる。中央には「開運」と書かれた大きな木槌もあるので、これをとって頭を軽く叩いてみた。運勢はともかく、国際会議でもう少し英語がうまく聞き取れ話せないかと思っているので、そのご利益があれば嬉しい。

 

 小銭入れに残っていたコインを、いくつか選んで手前のさい銭箱に入れた。おさい銭を入れた後でないと効果がないといけないので、もう一度腰をさすり頭を叩いておいた。

 

<続く>